研究課題/領域番号 |
21K09861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
深町 はるか 昭和大学, 歯学部, 助教 (10433799)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クレブシエラ / 腸管定着 / 腸管免疫応答 / gnotobioteマウス / germ-freeマウス / クレブシエラ菌 / ホスフォトランスフェラーゼシステム |
研究開始時の研究の概要 |
口腔内では無害の常在菌であるクレブシエラ菌が、大腸に定着することで病原性を発揮し、炎症性腸疾患の発症に関与していることが報告されたが、口腔常在菌のクレブシエラ菌の腸管内への定着機序や免疫調節機構は不明である。口腔内と腸管内では代謝を切り替え、それにより病原因子が発現調節されている可能性がある。そこで、本研究では、常在細菌とクレブシエラ菌の間にある糖利用競争に着目し、腸管由来の糖とその取り込み機構であるホスホトランスフェラーゼシステムが、クレブシエラ菌の腸管への定着に果たす役割と、腸管内での病原因子の発現変化に伴う免疫調節機構を解析する。
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研究実績の概要 |
本研究では、腸管由来の糖とその取り込み機構であるホスホトランsフェラーゼシステム(PTS)に着目し、クレブシエラ菌の腸管への定着機構の解明と、腸管内での免疫調節機構を解析することを目的とした。昨年度までにクレブシエラ菌のマンノースホスホトランスフェラーゼシステム(PTS)が腸管定着に重要な因子であることを明らかにした。今年度はクレブシエラ腸管定着モデルマウスを用いて、感染時の腸管免疫応答を解析した。 これまでに確立したSPFマウスのクレブシエラ腸管定着マウスモデルを用いて、クレブシエラ菌野生株(WT)感染群およびマンノースPTS遺伝子欠損株(KO)感染群を作製した。感染7日後、14日後の大腸粘膜固有層リンパ球を採取し、CD3抗体、CD4抗体、CD45抗体、IFN-gamma抗体、IL17A/F抗体で染色後、FACS解析で腸管のTh1, Th17応答を解析した。その結果、Th1細胞はWT, KO感染群共に7日後から優位に誘導されたが、WT感染群とKO感染群で有意差は認められなかった。Th17細胞も同様で、WT, KO感染群共に7日後から優位に誘導されたが、WT感染群とKO感染群で有意差は認められなかった。現在、無菌マウスを繁殖させ、腸管に常在細菌が存在しない環境下でWT, KOを感染させた場合の免疫応答について解析中である。 続いて、本研究を遂行する過程で、糖を代謝して菌体外高分子物質を産生していることがわかり、現在表面性状等の解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにSPFおよびノトバイオートマウスのクレブシエラ腸管定着マウスモデルを用いて、PTSの腸管定着および腸管免疫応答を解析し、当初予定していた無菌マウスの感染実験以外の解析を行うことができ、解析結果が得られた。 加えて、本研究を遂行する過程で得られた知見を基に、細菌の表面性状等の解析を行うこととしたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
ノトバイオートマウスの免疫応答:無菌マウスC57BL/6の匹数を揃えて、クレブシエラノトバイオートマウスを作製し、Th1, Th17応答を解析する。 菌体外高分子物質の解析:クレブシエラ菌を様々な糖を添加した培地で培養した際の菌体外高分子物質の構造をSEM観察する。
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