研究課題/領域番号 |
21K09862
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
櫻井 浩平 藤田医科大学, 医学部, 講師 (10608756)
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研究分担者 |
酒井 康弘 藤田医科大学, 医学部, 講師 (20754394)
山田 勢至 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (00566870)
林 雄一郎 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (80806464)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 口腔癌 / 転移 / 鶏卵漿尿膜移植法 / 遺伝子発現 / ネットワーク解析 |
研究開始時の研究の概要 |
頸部リンパ節や遠隔臓器へ転移をきたした口腔癌は予後不良となる。転移に対する集学的治療法の開発が行われているが、その転移機構は不明な点も多い。複雑なステップを経て成立する口腔癌の転移を解析するために、本研究では癌進展を模倣した「癌細胞モデル」と「動物実験モデル」を利用し、口腔癌転移の治療標的分子の同定を目指す。臨床医、病理医、分子生物学者が分担・協力しながら研究を展開する。
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研究実績の概要 |
転移は口腔癌の予後不良因子である。多段階からなるステップを経て成立する転移を解析するためには、癌進展を模倣した「癌細胞モデル」と「動物実験モデル」が必要である。本研究は癌細胞モデルとして高転移能を有する口腔癌細胞株を使用し、転移に関与する遺伝子の発現・ネットワークを解析する。また動物実験モデルとして、鶏卵漿尿膜移植法(Chorioallantoic Membrane Assay: CAM assay)を確立する。本研究は、これらの癌細胞モデルと動物実験モデルを組み合わせて口腔癌転移の治療標的分子の同定を目指す。 前年度は、口腔癌細胞株であるHSC-3細胞とHSC-3-M3細胞を用いてCAM assayを行い、移植部の漿尿膜(CAM)上に腫瘍が形成されることを確認した。今年度は、高転移能株HSC-3-M3細胞がニワトリ胚へ転移するかどうか検証した。CAM上に細胞を移植して8日目にニワトリ胚の肝臓と肺を摘出し、病理組織学的に検索した。肝臓のHE染色標本において、ごく少数ではあるがHSC-3-M3細胞と思われる細胞が観察された。そこで免疫染色を行うために連続切片を作製したが、対象の細胞が消失し検索することが困難となった。全ての検体(肝臓、肺)でCK5の免疫染色を施行したが、HSC-3-M3細胞は認められなかった。CAM上への移植だけでなく、CAMの血管に直接、癌細胞株を移植する実験を行っているところである。 前年度までにHSC-3細胞とHSC-3-M3細胞のトランスクリプトームの比較解析は終了していた。本年度は発現変動遺伝子の中から、転移に重要と思われる遺伝子を数個選択しRT-PCRで遺伝子発現を測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
HSC-3-M3細胞を用いたCAM assayの条件検討に時間を要し、予定していた機能解析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き移植細胞数や移植時期を検討する。また摘出臓器からDNAを抽出し、ヒトAlu配列を検出するPCRで転移の確認を行う予定である。他の口腔癌細胞株や他臓器の高転移能株も使用してCAM assayを行う。 CAM assayは実験期間が短く、癌細胞株の転移を確認することが難しいとする論文がいくつか報告されている。そのなかで、CAM上への移植ではなく、CAM周囲の血管に癌細胞株を直接移植するモデルで転移を確認している報告がある。従って今後は血管内投与モデルの確立も目指す。 HSC-3細胞とHSC-3-M細胞の発現変動遺伝子のいくつかをRT-PCRで確認したため、western blottingでタンパク質の発現も解析する。それらをノックダウンした場合の増殖能や浸潤能の変化を細胞培養実験で検証する。さらにCAM assayを用いてin vivoにおいても機能解析を進めていく。
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