研究課題/領域番号 |
21K09874
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
稲垣 裕司 徳島大学, 病院, 講師 (50380019)
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研究分担者 |
木戸 淳一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (10195315)
板東 美香 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10510000)
生田 貴久 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (00746563)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 糖尿病関連歯周炎 / スクレロスチン / 歯肉溝滲出液 / AGEs / 骨細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、糖尿病関連歯周炎の新規バイオマーカーとしてスクレロスチン(SOST)の可能性を調べ、また糖尿病合併症の原因の1つである終末糖化産物(AGEs)と歯周病原細菌由来のリポポリサッカライド(LPS)の協調作用による「歯周炎局所における炎症性骨吸収の増悪」と「SOST発現上昇」との関連性とその機序を明らかにする。 具体的には、糖尿病関連歯周炎患者の歯肉溝滲出液および唾液中のSOST量、歯周病原細菌量および皮膚蓄積AGEsを測定する。さらに骨細胞と、破骨細胞または骨芽細胞とを共培養して糖尿病関連歯周炎局所の骨微小環境を再現し、AGEsとLPSの協調作用による炎症性骨吸収の促進機序について調べる。
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研究成果の概要 |
本研究は、患者から非侵襲的に採取できる歯肉溝滲出液中のバイオマーカーとしてスクレロスチン(SOST)に着目し、歯周炎や糖尿病の臨床的重症度との関連性を調べた。それに加えてAGEs量や歯周病原細菌量との相関関係も解析した。その結果、糖尿病関連歯周炎患者、非糖尿病歯周炎患者および対照健常者の3群間でSOST量に有意な差は得られなかった。またAGEsとSOSTの間、SOSTとPISAの間に相関関係は得られなかった。 以上のことから、SOSTのみを用いて糖尿病関連歯周炎を診断するのは困難と判断された。SOST量と年齢に相関関係があったことから、糖尿病や歯周炎以外の因子の影響を受けることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は糖尿病関連歯周炎の新規バイオマーカーとしてSOSTに着目し、患者の歯肉溝滲出液のSOST量を測定した。そして糖尿病合併症の原因の1つである最終糖化産物やP. gingivalis等の歯周病原細菌を測定して、SOSTとこれらの数値、SOSTと歯周病や糖尿病の重症度との関連性を解析した。本研究では、糖尿病関連歯周炎の重症度のクラス分けや進行予測を行う際に、歯周炎局所のSOSTのみを用いて糖尿病関連歯周炎を診断するのは困難と判断された。症例数をさらに増やして解析することが求められるとともに、糖尿病関連歯周炎患者のバイオマーカーとしてSOST以外の別の物質を探索する必要性が示唆された。
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