研究課題/領域番号 |
21K09885
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
吉成 伸夫 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20231699)
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研究分担者 |
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
田口 明 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70243582)
石原 裕一 公益財団法人ライオン歯科衛生研究所(研究部研究開発室), 研究部研究開発室, 研究開発室長 (50261011)
尾崎 友輝 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (10802902)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 抗老化細胞療法 / 歯周病 / 糖尿病 / 動脈硬化症 / 慢性炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,歯周病,糖尿病,心臓血管疾患を代表とする生活習慣病に共通した病態として慢性炎症が注目されている。また、従来から報告されている生活習慣病と加齢の関連性から慢性炎症と加齢の関連機序に関しても注目が集まってきている。例えば,高齢者では血中炎症性因子の増加や組織内炎症の活性化がみられ,低レベルの慢性炎症状態が誘導されていると報告されている。 そこで本研究の概要は,加齢モデルマウスを使用して,慢性炎症を軸として歯周病,および関連のある糖尿病,動脈硬化症に老化細胞除去による新たな治療法を考案し,老化制御から歯周病・糖尿病・動脈硬化症の病態改善効果と抗老化細胞療法の開発を目指すことである。
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研究実績の概要 |
生活習慣病に共通の病因として老化が注目されている.また,老化の基盤病態として慢性炎症が報告されている.この機序には,老化細胞が産生する細胞老化随伴分泌現象(senescence-associated secretary phenotype: SASP)が関与する.SASP因子は慢性炎症を誘導し,加齢性疾患の発症,悪化に関与する.そこで,加齢マウスにおける歯周炎(P),糖尿病(DM),動脈硬化症(AT)に対して老化細胞除去薬を投与,老化細胞の抑制による病態改善効果を検索した. C57BL/6Nマウス53匹とApoE-/-マウス74匹を実験に供した.これらのマウスを対照(C),P,DM,AT,P+DM,P+AT,DM+AT,P+DM+ATの8群に分けた.さらに,各群を老化細胞除去薬投与群と非投与群に分け,合計16群として72週齢まで飼育した.Pは上顎臼歯に絹糸を結紮し誘導,DMはストレプトゾトシンとニコチンアミドを腹腔内投与し誘導,ATは動脈硬化を自然発症するApoE-/-マウスを適用した.老化細胞除去には56週齢時より4ヶ月間Dasatinib+Quercetin溶液(D+Q)を経胃投与した.老化の評価は,上顎口蓋軟組織におけるSA-β-gal染色陽性面積率,血清IL-6濃度,各疾患病態の評価は,PはμCT解析による歯槽骨吸収量,DMは空腹時血糖値,ATは動脈内腔のSudanⅣ染色陽性面積率で評価した. 本研究の結果,D+Q投与群でSA-β-gal染色陽性面積率,血清IL-6濃度が有意に減少した.また各疾患の病態評価では,P群においてD+Q投与で歯槽骨吸収量は減少傾向であり,AT群のSudanⅣ染色陽性面積率は有意に減少した. このようにD+Q投与で老化細胞除去効果と各疾患の病態改善が確認されたことから,歯周病,動脈硬化症に対してD+Q投与が効果的であることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
何とか研究結果まで来たが,途中マウスの死亡が重なり再度マウスを飼育し直すこととなった。そのため,論文化までには至らず,今後論文作成にかかる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の展望としては,これまでのデータを踏まえて,D+Q投与によるIL-6以外のSASP量の解析や,p16やp19などの他の老化マーカーシグナルに対する解析,DMモデルマウス作製方法に対する検討,さらには老化細胞除去療法が成功するためのD+Qの投与期間や投与量に対する検討を行い,より効果的かつ効率的な抗老化療法についての研究を継続する予定である.
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