研究課題/領域番号 |
21K09887
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
金子 高士 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10284697)
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研究分担者 |
吉永 泰周 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (60452869)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歯周病原細菌 / LPS / カスパーゼ4 / カスパーゼ5 / NLRP3 / ピロトーシス / カスパーゼ4 / カスパーゼ5 / カスパーゼ1 / Porphyromonas gingivalis / カスパーゼ11 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病の病態形成には歯周病原細菌が産生する毒素のLPSが深く関与している。細胞内タンパクのカスパーゼ4, 5はLPSと結合すると、ピロトーシスと呼ばれる細胞死を誘導するとともにNLRP3といわれる分子を活性化し、炎症性サイトカインのIL-1βを活性化することが知られてる。しかし多彩な構造をもつ歯周病原細菌が実際にカスパーゼ4,5と結合し、それらを活性化しピロトーシス、NLRP3活性化、IL-1β活性化を誘導できるかどうかは明らかにされていない。本研究では細胞実験、動物実験を行い、歯周病の発症、進展におけるカスパーゼ4,5の役割りを明らかにすることにより、新規歯周病治療の開発をめざす。
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研究実績の概要 |
歯周病原細菌のLPSとそれに対する生体防御反応により産生されるIL-1βは歯周炎の発症・進展に深く関連している。しかしながら歯周病現細菌のLPS刺激により誘導されたIL-1β前駆体が、どのようにしてカスパーゼ1によるプロセッシングをうけて活性化IL-1βになるかは不明のままであった。近年の炎症性カスパーゼのカスパーゼ4とカスパーゼ5がLPSの細胞内受容体として同定され、それらの活性化を介してNLRP3インフラマソームそしてカスパーゼ1を活性化する経路が報告された(非定型NLRP3活性化経路)。そこで本研究では様々な構造を持つ歯周病原細菌のLPSによるIL-1β活性化における非定型NLRP3活性化経路の役割を明らかにするとともに、カスパーゼ4, 5活性化経路へ介入し、IL-1β活性化やピロトーシスを制御することにより歯周炎をコントロールする可能性を探ることとした。 ヒト単球/マクロファージ細胞株であるTHP-1細胞を用いて実験を行った。RT-PCR解析によりTHP-1細胞はNLRP3、カスパーゼ1、カスパーゼ4のmRNAを 発現していたが、カスパーゼ5のmRNAは発現していなかった。Echerichia coliとPorphyromonas gingivalisのLPSを用いたTHP-1細胞へのエレクトロポレーションはLPS濃度依存的にTHP-1細胞死を誘導し、それはNLRP3、カスパーゼ1、カスパーゼ4の各インヒビターにより抑制された。Western blottingによる解析では、両LPS によるエレクトロポレーションはカスパーゼ4とカスパーゼ1のデグラデーションを誘導した。さらにカスパーゼ4欠損THP-1細胞における両LPSのエレクトロポレーションは細胞死を誘導できなかったことからP.gingivalisによるピロトーシスにはカスパーゼ4が関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
リコンビナントカスパーゼ4とP.gingivalis LPSの結合力を非競合ELISAを用いたリガンド結合法とBlue Native PAGEを用いて行なったが、失敗に終わり、いまのところ結合力の測定ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後、非競合ELISAに用いる試薬(抗カスパーゼ4抗体など)や実験条件を変更することで、カスパーゼ4の結合試験を成功させる。またGel filtrationを用いた方法やPull-down法などの実験的手法も試みる。
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