研究課題/領域番号 |
21K09890
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
海老原 新 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60251534)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | NiTiファイル / 機械的特性 / 根管形成 / 歯内治療 / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
NiTiファイルは湾曲根管の形成に適しているといわれるが、使用中に形態的に変化しないことが多く、疲労の状態を目視によって確認することは困難である。NiTiファイルの挙動・機械的性質の変化することを検知するため、自作根管形成装置で根管形成を一定速度・一定荷重で行い、機械的性質を評価する。NiTiファイルが疲労していることを確認する方法を導入することを目的とし、NiTiファイルの根管内での挙動を知る。NiTiファイルの形成条件を客観的に評価する、さらにNiTiファイルが疲労し、使用を中止すべきである状態を検知する。 これらよりNiTiファイルによる根管形成をシミュレートし、シークエンスを提唱する。
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研究実績の概要 |
NiTiロータリーファイルでの形成において、根尖方向の荷重が、根管形成能、形成中に生じる応力に与える影響の解析 自作型自動根管形成・応力解析装置での根管形成において、根尖方向にかける荷重を1,2,3 Nに設定し、根管形成能、形成中に生じる応力および形成時間を計測した。その結果、根尖方向の荷重が大きくなると、根管の偏位は小さくなり、根尖方向・歯冠側方向の垂直荷重は大きくなり、形成時間は短縮される傾向を示したが、トルクの値は根尖方向の荷重の影響を受けなかった。 グライドパス用NiTiロータリーファイルの回転様式の違いが、形成中に生じる応力、ファイル表面の性状、根管形成能に与える影響の解析 自作型自動根管形成・応力解析装置を用いて、湾曲抜去歯根管に対して、ProGliderを4種類の回転様式で根管形成を行い、形成中に生じる応力、形成後のファイル性状の変化、根管形成能を評価した。その結果、OGPモーションは、切削方向のトルクは小さく、形成後のファイル表面の欠陥が少ない傾向が示された。また、往復回転を使用した場合、連続回転と比較して根管追従性が良好であった。 熱処理の異なるニッケルチタン製ロータリーファイルによる根管形成で生じるトルク・荷重および根管形成能に及ぼす各種回転様式の影響 ProTaper UniversalとProTaper Goldを往復回転 [正回転150度、逆回転30度(R150/30)または正回転240度,逆回転120度(R240/120)],OTRモーション,連続回転(CR)で使用した際のトルク/荷重と根管形成能を評価した.R240/120とOTRはCRと比較して,ProTaper Goldではscrew in forceを減少させ,ProTaper Universalでは根管追従性を向上させた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
引き続き、研究を進め、 各種NiTiファイルの機械的性質および根管形成能の解析 TruNatomy(TRN)の機械的特性と根管形成能を他のファイルと比較し、評価することを目的とした。曲げ試験、動的回転疲労試験、自動根管形成装置にて形成した際のトルクと垂直荷重、その際の根管の変位に関して調査した。本研究の条件下では、TRNは他のファイルと比較して高い柔軟性と小さいトルクと垂直荷重の値を示した。 異なる回転様式における、NiTiファイルのねじれ疲労耐性の評価 NiTiファイル (JIZAI) を用いて、異なる回転様式(連続回転、OTR、レシプロケーション)での直線および湾曲でのオリジナルのねじれ破折試験および形成実験を行った。形成実験において連続回転では湾曲の影響を受けること、レシプロケーションはフォースが大きくなることが示された。 NiTiファイルのペッキング速度の違いが回転疲労耐性に及ぼす影響の評価 ProTpaer Goldを用いて、挿入速度は一定で引き上げる速度を3種類に設定し、回転疲労試験を行ったところ、引き上げる速度が速いほど回転疲労耐性が上昇する可能性が示された。 という結果を得ている 7本の国際誌への掲載があり、順調に計画は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度として、さらに研究を進める。現在1本が投稿中、もう1本が投稿準備中である。 大学院生4名が積極的に研究に従事している。
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