研究課題/領域番号 |
21K09911
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
砂川 光宏 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30179288)
|
研究分担者 |
興地 隆史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80204098)
橋本 健太郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80825662)
岡田 大和 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 医員 (60964921)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 歯髄炎 / 中枢感作 / Sostdc1 / 視床 / DNAアレイ / RT-rPCR / 疼痛関連遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
歯髄炎など歯の疾患の治療後に痛覚過敏などの「病的な痛み」が生じることがあるが、その発症機序には不明な点が多い。本研究は、この種の痛みに対する視床の関与に着目し、ラットに実験的歯髄炎を誘発後、視床に対して網羅的、定量的遺伝子発現解析を行い、歯痛に関与する疼痛制御遺伝子の絞り込みを行う。さらに、これらの因子を上方制御した視床組織を組織培養し、電気刺激に伴う発現挙動の解析から、各疼痛制御遺伝子の役割を解析する
|
研究実績の概要 |
歯内療法対象疾患である歯髄炎および根尖性歯周炎は、歯髄組織および根尖周囲組織に惹起された炎症性疾患であるが、急性化した歯髄炎および根尖性歯周炎は強い痛みを伴う。このような痛みが、中枢感作を引き起こすことは以前より報告されている。生体には、強い痛みに対しそれを制御するシステムが備わっており、今回生体の疼痛制御システムに焦点を当て研究を行った。炎症性刺激物質であり神経線維興奮物質であるallyl-isothiocyanate (mustard oil:MO)をラット上顎第一臼歯に貼付し、歯髄炎に継発する中枢性感作惹起モデルを用いて実験を行った。対側には非刺激性のミネラルオイル(MI)を貼付した。口腔顔面領域からの痛覚や触覚などの侵害受容信号受容野である視床を摘出し、発現している遺伝子をアレイにて網羅的に解析した。その結果、以前報告したKcna1とともにSostdc1の発現も低下していることが確認された。実際に、視床より抽出したRNAを用いてRT-rPCRを行ったところ、Sostdc1のmRNA発現が対照群と比較して有意に減少していた。Sostdc1はBMPシグナルのアンタゴニストであり、Sostdc1発現が低下することでBMPシグナルの亢進が誘導される。実際に、ショウジョウバエの侵害受容感作はカノニカルSMAD経路を介したBMPシグナルを必要とすると報告されており、Sostdc1発現の低下によるBMPシグナルの亢進が、歯髄疾患に伴う中枢感作に関与している可能性が示唆された。
|