研究課題/領域番号 |
21K09948
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
大野 純 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10152208)
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研究分担者 |
鍛治屋 浩 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (80177378)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヒト歯周靭帯幹細胞 / 歯周組織 / オルガノイド / スフェロイド培養 / 細胞シート / コラーゲンゲル / オートファジー / スフェロイド / 骨分化 / セメント質分化 / コラーゲン・ゲル培養法 / 歯周組織再生 / 細胞極性 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周再生療法のために、極性を付与する歯周組織オルガノイドが必要であると考えた。本研究では、1)オートファジーによる分化誘導を制御する方法を検索する。それらの細胞から多層化細胞シートおよび細胞凝集体であるスフェロイドを作製する。そして、2)作製した細胞シートおよびスフェロイドを混合したコラーゲン・ゲル包埋培養を行い、ゲル内でのシートおよびスフェロイドの再凝集化から歯周組織オルガノイドを形成させる。3)歯槽骨欠損および歯の移植モデルを用いて、歯周組織オルガノイドの有用性を評価する。以上のことから、オートファジーにより極性を付与した歯周組織オルガノイドを開発する。
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研究実績の概要 |
テーマである極性を付与した歯周組織オルガノイドの開発に向けて、①スフェロイドとコラーゲン・ゲル培養法と②オートファジーによる分化誘導の制御について検討した。①については、スフェロイド培養は間葉系幹細胞(MSC)の分化誘導が 促進されることを確認した。すなわち、MSCスフェロイドは生体における3次元組織構築を再現し、実際には通常の2次元培養法による誘導よりも細胞分化が亢進することが明らかとなった。さらに、歯周組織内に存在するMSC(歯根膜幹細胞、HPLSC)は、生体では歯根膜線維(コラーゲン線維)に埋入されて存在し、必要に応じて目的とする細胞に分化して、歯周組織の再生・修復に関与している。したがって、歯周組織オルガノイド形成においても、この模擬歯周組織環境下において生体と同様の分化誘導能を発揮するかを検討した。そのために、HPLSCスフェロイドをコラーゲン・ゲルに培養して、セメント質分化への効果を検討した。その結果、コラーゲン・ゲル培養HPLSCスフェロイドは、2次元培養HPLSCおよびHPLSCスフェロイド単体と比較して、セメント質への分化誘導が著しく亢進していた。これらの結果は、歯周組織オルガノイドの培養環境には、模擬歯根膜としてのコラーゲン・ゲル培養法の応用が必要であることが明らかとなった。②については、オートファジーによるMSCの骨分化誘導への関与を、オートファジー促進あるいは抑制により検討を行った。その結果、初期の骨あるいはセメント質の分化誘導にオートファジーの亢進が効果的であるデータを得た。以上の結果から、オートファジーを亢進させた歯周組織オルガノイドは良好な歯周組織複合体を形成できる可能性を示唆していると考える。
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