研究課題/領域番号 |
21K09961
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
松永 智 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (70453751)
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研究分担者 |
溝口 利英 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90329475)
三友 啓介 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (90844051)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歯科インプラント / 新生血管 / オステオン / 骨質 / リモデリング / 生体アパタイト結晶配向性 / コラーゲン線維の走行異方性 / SHGイメージング / 口腔インプラント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、抜歯後にインプラントを埋入し咬合力の差異により生じるインプラント周囲骨の変化を1) 骨系細胞の動態と血管網構築を含めたリモデリング機序、2) 生体アパタイト結晶配向とコラーゲン走行の異方性、3) 各フェイズにおける血管サブタイプの同定と分布について定量的な評価を行う。それぞれのパラメータを顎骨シミュレータに導入し、4)Mechano-adaptive に形成/再形成される骨の構造特性と血管網構築の関連性について解析を進めることで、インプラント周囲顎骨の最適力学環境の評価法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、インプラント周囲に新生される血管網の走行・性状と骨組織のミクロ構造特性との関連性を明らかにすることで、インプラント周囲骨にとって必要不可欠な血管網と骨力学機能の双方を両立させるリモデリングシステムの一端を解明することを目的とした。ヒト遺体より採取した歯科インプラントを含む顎骨試料については、インプラント周囲血管網および新生骨について材料工学的手法を用いた定量解析を行い、インプラント周囲顎骨に特異的なオステオンと血管網形成を認めたことを報告した(Int J Implant Dent, 2022)。動物実験については、マウス抜歯窩の治癒過程における血管新生(特に骨新生に大きな関与が報告されているType H血管)について抜歯窩内における部位特異的な出現を認めている。抜歯窩治癒経過を足掛かりとして基礎的データを採取し、インプラント埋入後のType H血管の局在と骨前駆細胞分化について明らかにすることで、これまでの研究で明らかにしてきたインプラント周囲骨の形態学的特徴と細胞動態について包括的に解析を行うことが可能となる。また、血管新生に加えてインプラント周囲に分布する神経分布についても併せて検索を進めており、第313回東京歯科大学学会、第52回日本口腔インプラント学会学術大会にて報告を行い、口腔インプラント学会にて学術奨励賞を受賞しており(Otsu Y, Matsunaga S et al.)、十分な成果が得られたと考える。研究分担者が退職したため、当初の予定から遅れているインプラント埋入後の力学環境におけるTypeH血管と骨新生に関する検討を進めていくと同時に、インプラントを有する環境に最適化された骨組織のミクロ/ナノ構造特性と骨系細胞の動態について詳細を明らかにしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
TypeH血管の蛍光染色を行っていた研究分担者が退職したためその引継ぎに時間を要し、一部の研究が滞っているため。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験における結果のばらつきの原因と考えられる、抜歯時の歯根膜残存について検討を進めているところであり、3通りのプレリミナリな抜歯モデルについて歯根膜残存の割合を定量的に評価する。しかる後、歯根膜残存グループと歯根膜除去グループを新たに分けてインプラント埋入後、解析を行うことで、抜歯窩および歯科インプラント周囲組織における血管タイプの特異性と骨系細胞の分布について検討を進めていく。特に三次元的な血管経路についてはMicroFilを用いた毛細血管造影が極めて難しい手技であり、透明化マウスを用いた血管蛍光染色についても検討しており、早急に予備実験を行う予定を立てている。
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