研究課題/領域番号 |
21K09964
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
廣田 正嗣 鶴見大学, 歯学部, 助教 (50734860)
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研究分担者 |
早川 徹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (40172994)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 骨補填材 / 歯学 / 再生医学 / 骨 / アパタイト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画は,鶏卵の廃棄卵殻に含まれるカルシウム(Ca)を再生利用し合成された水酸アパタイト(卵殻アパタイト)を,医療用ゼラチン等と複合化し,実用可能な骨補填材の開発を行うことを目的とした.卵殻アパタイトは天然由来であり,さらにマグネシウム(Mg)を豊富に含んでいることから良好な骨適合性が期待できる.本研究では,実際に試作した骨補填材を用いてラット頭蓋骨への動物埋入実験を行い,病理組織学的に内向側および外向側の骨形成能を既存のMgフリーの鉱物由来アパタイトと比較する.
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研究実績の概要 |
本研究は,廃棄卵殻中に含まれるカルシウムを再生利用し,原料として合成した,水酸アパタイト(以下,卵殻アパタイト)の臨床応用を目指し,新規骨補填材の開発を行っている.現在までに,以下のように実績を得たので報告する. 令和4年度は,令和3年度に試作した骨補填材に加えて,新たに卵殻アパタイト(濃度10 wt%)にセルロースナノファイバーを複合化材料として適用可能か検討を行った.セルロースナノファイバーに卵殻アパタイトを配合させゲル化した後,令和3年度の設備費で購入した凍結乾燥機を用いて一定時間乾燥させた.作製した試作骨補填材の走査型電子顕微鏡による形態観察および生理的食塩水中での分解挙動の観察を行った.その結果,骨補填材として利用可能と考えられる連通多孔形態が得られ,一定期間,生理的食塩水中での分解は認められなかった. 8週令雄性SD系ラットを用い,頭頂骨欠損部への8週間の試作骨補填材埋入実験を行った.トレフィンバーにて形成した頭頂骨の骨欠損部に試作骨補填材を埋入し,周囲の骨反応を観察した.現在までに全ての供試動物に炎症反応などの異常は認められず,通常飼育が可能であった.試料を摘出し,マイクロCTにより骨量を分析した後,非脱灰研磨標本を作製し病理組織学的に観察を行った.その結果,欠損のみを作製し新生骨形成が認められなかった対照群に対して,骨補填材埋入群において骨欠損部に一部新生骨形成が認められた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
令和3年度で作製した試料のうち,良好な結果を得た配合量10 wt%,複合化材料LMペクチンおよびキリンサイの2条件の複合化材料に加えて,アパタイトの保持力が高い足場材として新たにセルロースナノファイバーとの複合化を検討した.形態および溶解性の評価において骨補填材料として良好な結果を得ることができた. 昨年度確立したラット頭頂骨への骨欠損への埋入モデルを使用して,問題なく各試作骨補填材の動物実験を実施することができ,内側性の骨欠損に対する各試作骨補填材料について評価することができた.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,令和4年度までに作製した非脱灰薄切研磨標本を用いて骨形態計測などにより統計学的に結果を考察する予定である.組織形態計測として解析ソフトWinRoofを用いて新生骨量を算出する. また,卵殻アパタイトを蒸留水と混合し,骨ペーストを作製する.骨ペーストはラット頭頂骨上に内径φ3 mm,高さ2 mmのテフロン製チューブを置き,その中に充填し,骨膜ごと縫合を行う.埋入4~8週後に摘出した後標本作製を行い,外向側骨形成評価,分析を行う.骨欠損の形態に加工した試作骨補填材を4~8週間埋入する.摘出した試料は,マイクロCTにて骨形成の三次元的評価を行う.さらに,EXAKTシステムを用い非脱灰薄切研磨標本を作製し光学顕微鏡を用いて病理組織学的に骨形成状態を観察する.組織形態計測として解析ソフトWinRoofを用いて新生骨量を算出する. 以上について,得られた結果を取りまとめ,卵殻アパタイトの骨補填材としての有用性について,関連学会における学会発表および海外ジャーナルへの論文投稿によって成果の発表を行う予定である.
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