研究課題/領域番号 |
21K09972
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 弥生 (奥山 弥生) 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (30223697)
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研究分担者 |
江草 宏 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30379078)
熊澤 逸夫 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (70186469)
勝田 悠介 東北大学, 歯学研究科, 非常勤講師 (70781277)
山田 将博 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (90549982)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 支台歯形成 / 技能評価 / 機械学習 / 特徴量の抽出 / ルーブリック / 人工知能 / ニューラルネットワーク解析 / AI / 自律化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで定性的、主観的であった支台歯形態の良否の臨床的判断に対し、機械学習という概念を導入し、定量的、客観的かつ迅速に、支台歯形態の評価結果のスコア化と合否判定、さらにリアルタイムに支台歯形成の改善点が画像表示される支台歯形成技能評価システムを構築することを目指す。これまで教員によるルーブリックを用いた支台歯形成技能評価を教師とした機械学習を行い、最適解析方法を得ることができた。本研究では、さらに精度の向上を目指すと同時に、最適解析方法を統合した支台歯形成技能評価システムの自律化を目標とする。
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研究実績の概要 |
近年,歯科医学ではシミュレーション教育の重要性がますます高まっている.しかしながら,歯を切削する技能の評価方法はまだ確立されていないのが現状である.口腔内スキャナーによる光学印象の臨床応用が進み,支台歯形成直後,実習模型上でデジタルデータの取得が簡便にできる今日,そのデータに基づいて学生の切削技能を自動的かつ定量的にリアルタイムに評価するシステムの開発が望まれている. 研究代表者は支台歯形成済の人工歯の三次元形状データを対象に,教員によるルーブリックを用いた支台歯形態評価を教師とした機械学習を行い,種々の条件下での評価を重ね,1D-CNNの応用により,指導者による評価との一致率約70%という成果を得ることができた.さらに,研究分担者である東京工業大学との共同研究の結果,評価項目「咬合面の削除量」,「軸面のテーパー」に関する評価アルゴリズムを確立している. 本年度は,採点用ルーブリックの評価項目「辺縁の形態」について,まず「支台歯辺縁の形状」を欠落のない高精度の3Dデータとして採取する.次に試作の評価プログラムを用いて「辺縁の幅」と「J-shape」を検出することを目的とした. 研究の結果,口腔内スキャナーは既存のスキャナーに比べ,縁端部の再現性が向上していた.次に口腔内スキャナーを用いて得られたデータの縁端部における「辺縁部の幅」と「J-shape」の有無について,曲率を応用した試作プログラムを用いて解析を試みた.その結果,「辺縁部の幅」及び縁端部の「J-shapeの高さ」を数値で求めることができた.よって試作のプログラムは,辺縁縁端部の特徴量抽出に有益であることがわかった.しかしながら,特徴量抽出ができなかった資料もあり,より詳細な解析を要することが判明した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度の目的とした高精度の3Dデータの採取は,最初の3か月間で終えることができた.用いた口腔内スキャナーはこれまで用いたデスクトップ型のスキャナーにはない特徴を有しており,詳細な解析に入る前の準備段階での演算処理に手間取った.そのため当初の計画より大幅に時間がかかり,研究の進行に遅延をもたらす結果となった. しかしながら,最終的には昨年度作った試作プログラムを用いて12本の人工歯のトライアルデータを得ることができ,目標としている「ショルダー幅」の算出ならびに「J-shape」の検出を行うことが確認でき,次年度の目標となる課題を得ることができた.従って,遅れてはいるが,研究計画から外れてはおらず,確実な成果を得たものと認識している.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,全資料データを対象に試作プログラムを用いて「支台歯辺縁の形態」を解析し,「辺縁の幅」と「J-shape」の2点の検出を行う.検出されない場合の対応も含め,支台歯辺縁の離散系デジタルデータを対象にした評価プログラムを確立し,歯を切削する技能を可視化/スコア化した評価システムの開発に本成果を反映させたい.
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