研究課題/領域番号 |
21K09991
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上田 康夫 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (30241342)
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研究分担者 |
山口 泰彦 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (90200617)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ジルコニア・クラウン / AM / 3Dプリント / ジルコニア・セラミックス / 液槽光重合 / vat photo-polymerization / ジルコニア / 脱脂 / 焼結 / 光造形 / セラミック / ジルコニアセラミックス / グリーン体 / ジルコニアクラウン / Additive Manufacturing / CAD/CAM |
研究開始時の研究の概要 |
歯科におけるCAD/CAM技術を利用したクラウンの製作工程では,一般的に切削加工を行うことが多い.一方で,クラウンをAM(3Dプリント)で製作出来れば,材料の無駄が少なく,製作物単位あたりの製作時間の大幅な短縮も可能である.AMには幾つかの方式があるが,ジルコニアセラミックスの成形にはバインダーを利用したプリントが有望である.しかし,この方法は成形後の脱脂・焼結の工程での体積収縮が大きいため,最適な加工条件を求める事が重要になる. 本研究では,このジルコニアセラミックスをAMで製作する工程で重要な,後半部分の脱脂・焼結の工程に関する最適条件を模索していく.
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研究成果の概要 |
ジルコニアとレジンの混合物から3Dプリントで成形物を得て,脱脂・焼結によりクラウンを作る工程の確立を目指した.粒径の異なる2種類のジルコニアの粉末と,2種類のキャスタブルレジンを用いて,その混合物を液槽光重合方式の3Dプリンタで成形し,樹脂の焼却(脱脂)過程をさまざまな条件で調べた.その結果,どちらの場合も,概ね400℃までで脱脂できることが分かったが,昇温速度を20℃/minまで低下させても,試料体に亀裂や剥離などの問題を生じたことから,レジンが軟化・ガス化する辺りの温度で昇温速度をさらに低下させるか,一時的に一定温度で一定時間係留するなどの処置が必要なことが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ジルコニアの粉末材料は,日本メーカーが世界に供給して大きなシェアを持っている.価格は1kgあたり1万円台であるが,1本の歯冠に必要とする量は2g程度である.ジルコニアはチタンと同族の元素のジルコニウムの酸化物で,生体親和性がよく,歯科治療においてクラウンやブリッジ(いわゆる「被せ物」)に利用した場合の金属アレルギーの懸念がほぼ無い.一方,3Dプリントは,歯冠のような小さい物では,大量生産による大幅なコストダウンが可能である. このため,クラウンやブリッジの製作に際し,AM(3Dプリント)技術を活用してジルコニアを加工できれば,安価で高品質で安心・安全な医療を国民に提供できるようになる.
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