研究課題/領域番号 |
21K10018
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西川 悟郎 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (00172635)
|
研究分担者 |
長岡 紀幸 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70304326)
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
吉原 久美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90631581)
入江 正郎 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (90105594)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | シランカップリング剤 / ハイブリッドレジン / 蛍光タンパク / 蛍光顕微鏡 / 電子顕微鏡 / ハイブリッドレジンブロック |
研究開始時の研究の概要 |
シランカップリング剤のメタルフリー材料表面への実際の吸着能は,材料の種類や表面汚染の有無に影響を受け,吸着効果は異なる.しかしながら材料表面へのカップリング剤の吸着量の定量的評価はこれまでは困難であった.申請者は材料表面に吸着したシランカップリング剤に蛍光タンパクをラベリングすることによって可視化する技術を開発して既に報告した.本研究は,この技術に光-電子相関顕微鏡法(CLEM)とオージェ電子分光分析法(AES)を用いた解析法を融合させることにより,修復材料表面へのカップリング剤の吸着様態に対するナノスケールの化学結合状態の解析とカップリング剤の可視化を行う技術の開発を目的とするものである.
|
研究実績の概要 |
CAD/CAM冠用材料などに用いられるハイブリッドレジンは,レジンセメントとの接着に際しカップリングモノマーを塗布することによって化学的結合力の強化が図られる.カップリングモノマーとハイブリッドレジンとの結合状態を評価する方法としてXPSによる分析方法があるが,ハイブリッドレジンは材料中にメタクリレート樹脂が存在するためにXPSによる評価は困難である.また各ハイブリッドレジンの材料中には製品独自のフィラーなどが含まれるため,同一材料内であってもカップリングモノマーの結合が一様とは考えにくく,樹脂上におけるモノマーの付着状況は不明であった. そのため,これまでの研究ではカップリングモノマーとハイブリッドレジンの結合状態の評価は,レジンセメントとハイブリッドレジンの間の接着強さを指標として間接的に評価されてきた.申請者らは,ハイブリッドレジン上のシランカップリングされた領域におけるカップリングモノマーの結合様態を,カップリングモノマーに蛍光タンパクを標識させ,蛍光顕微鏡で観察する方法を利用して可視化する方法を考案した. この方法を実際に開発し,これらの成果を基に,試料表面に蛍光タンパクのラベリングを行い,SEM,XPS解析と共焦点レーザー顕微鏡観察などの種々の観察方法への対応を可能とした試料を得るための,薄膜化したハイブリッドレジン試料の作製を行っている.試作した薄膜化試料を用いて TEM, STEM, EDS解析像を行うことにより,最適となる試料の厚さと計測条件の検討を行っている.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで接着強さを指標にして間接的に研究・評価されてきたカップリングモノマーとハイブリッドレジンの結合状態の様態を,研究実施者は,ハイブリッドレジン上のシランカップリングされた領域におけるカップリングモノマーに蛍光タンパクを標識させ,蛍光顕微鏡で観察する方法を利用して可視化する方法を開発した. これらの成果を基に,試料表面に蛍光タンパクのラベリングを行い,SEM,XPS解析と共焦点レーザー顕微鏡観察などの種々の観察方法への対応を可能とした試料を得るための,薄膜化したハイブリッドレジン試料の作製を行うととものに計測条件を検討し,最適の計測条件を得るべく準備している.
|
今後の研究の推進方策 |
薄膜化したハイブリッドレジン試料の作製と各計測方法の最適条件を求めることによってハイブリッドレジン上のシランカップリングされた領域におけるカップリングモノマーに蛍光タンパクを標識させ,蛍光顕微鏡で観察することで可視化する. 今後はこれに併せてTEM, STEM, EDS解析も 今後 同時に行うことが可能となり,ハイブリッドレジンに対するカップリングモノマー結合様態のナノスケールレベルにおける顕微鏡的研究を総合的に進めていく予定である.
|