研究課題/領域番号 |
21K10021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
安部倉 仁 広島大学, 病院(歯), 研究員 (30159454)
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研究分担者 |
西尾 文子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00881294)
森田 晃司 広島大学, 病院(歯), 助教 (30555149)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | PEEK / 研磨 / 臨床応用 / 大臼歯 / スーパーエンジニアリングプラスチック / CAD/CAM |
研究開始時の研究の概要 |
スーパーエンジニアリングプラスチックの利点は、生体安全性や生体適合性が高く、金属アレルギー対策としても有用であること、曲げ強度が高く、破断しにくい特性を有し、適度な硬度があることで、対合歯への緩衝作用をも期待できることが挙げられる。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を大臼歯に用いた臨床研究を実施したところ、歯冠修復材料として期待値が高いことが判明した。しかし、耐摩耗性、研磨性、強度などに、いくつかの問題点も懸念されたため、材料学的研究と臨床研究を行い、負荷が大きい最後臼歯部PEEKクラウンおよびショートスパン臼歯PEEKブリッジへの応用について臨床的妥当性を評価することを目的とする。
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研究成果の概要 |
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を大臼歯に用いた臨床研究から耐摩耗性、研磨性などに、問題点も懸念され、材料学的研究と新たに、負荷が大きい最後臼歯部PEEKクラウンの応用について臨床的研究を実施した。 研磨について、複雑な形状のPEEK表面の研磨はカーボランダムファイン、Sライム、マルチブルーの順に研磨を行うのが最も表面が滑沢にできた。最後臼歯部PEEKクラウンの応用について、12症例、6か月の観察で破折および脱離は発生しなかった。実施済大臼歯PEEK冠についての臨床研究、21症例、2年間の継続観察研究では、症例によっては摩耗や咬耗が進行していたが、咬合接触と咀嚼能力は維持されていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非金属性新規歯冠補綴材料のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の臨床応用を目指す研究は学術的にも社会的にも有意義である。研磨の推奨できる方法を示し、大臼歯PEEKクラウンの摩耗が進行した場合でも、咬合接触と咀嚼能力は維持されていた。過剰な負荷がかかる最後臼歯部大臼歯クラウンについても破折や脱離生じないことを確かめた。これらの成果もあり、2023年12月に大臼歯PEEKクラウンとして健康保険に適用された。PEEKが導入されるのは初めてで、患者は大きな費用負担なしに、歯科用貴金属価格の高騰や金属アレルギー対策などの利益が期待できるメタルフリーの治療を受けられるようになったことは意義が高い。
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