研究課題/領域番号 |
21K10039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
野口 夏代 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (90547176)
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研究分担者 |
川尻 秀一 金沢大学, 医学系, 教授 (30291371)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 口腔癌 / 増殖 / 転移 / 線維芽細胞 / 口腔扁平上皮癌 / 浸潤 / 線維芽細胞増殖抑制剤 |
研究開始時の研究の概要 |
以前の研究でトラニラストという肥厚性瘢痕治療薬を口腔扁平上皮癌に投与すると浸潤や転移を抑制する効果があることを報告した。トラニラストは癌間質にある線維芽細胞や血管新生を抑制しており、これらが浸潤や転移を抑えたものと考えられた。そこで本研究では肺線維腫治療薬として最近開発された線維芽細胞増殖阻害薬ニンテダニブ、ピルフェニドンが癌細胞の浸潤・転移抑制に効果があるか否か、口腔癌の浸潤・転移を再現できるマウスモデルを用いて検討することとした。
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研究成果の概要 |
口腔扁平上皮癌の間質には線維芽細胞が多く観察される。本研究では線維芽細胞増殖抑制剤の口腔扁平上皮癌に対する増殖や転移抑制の効果を検討した。口腔扁平上皮癌の臨床での浸潤および転移を忠実に再現できるマウス正所性移植モデルを用いて、線維芽細胞増殖抑制剤の効果を検討した。癌細胞は高浸潤高転移性のヒト口腔扁平上皮癌細胞株であるOSC-19細胞を使用し、ヌードマウスの舌に移植した。線維芽細胞増殖抑制剤はピルフェニドンとニンテダニブを用いて、増殖とリンパ節転移の阻止効果を調べた。その結果、腫瘍の大きさ、リンパ節転移にそれぞれ効果を認め、臨床的にも有意義であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性腫瘍の生物学的な大きな特徴は局所の増殖浸潤と転移である。特に転移の有無は口腔癌患者の予後を左右する最も重要な因子であり、治療が成功するか否かは転移を制御できるかどうかに深くかかわっている。口腔扁平上皮癌は間質に浸潤する際に間質反応として線維化を伴うことが知られているが癌にとってこの反応が宿主防御反応か癌細胞の浸潤増殖の足場として機能しているのかは不明である。本研究の結果、口腔癌において増殖や転移に線維芽細胞が深く関わっており、線維芽細胞の増殖を抑制することで癌細胞の増殖や転移を抑制できる可能性が示唆された。新しい口腔癌の治療法の開発につながるものと期待している。
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