研究課題/領域番号 |
21K10054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
後藤 隆志 朝日大学, 歯学部, 准教授 (30637898)
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研究分担者 |
小鹿 恭太郎 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (90622944)
林 真太郎 朝日大学, 歯学部, 助教 (80966169)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | レミマゾラム / 静脈内鎮静法 / 歯科麻酔 / 上気道閉塞 |
研究開始時の研究の概要 |
歯科治療では静脈内に鎮静薬を投与し、治療中の不安を軽減する方法(静脈内鎮静法)が広く行われている。本邦で新しく発売された全身麻酔薬のレミマゾラムは鎮静・催眠作用を有するため、歯科治療中の静脈内鎮静法においても十分な不安軽減効果が期待できる。従来、静脈内鎮静法に用いてきた薬物では上気道閉塞等の致死的合併症が問題となることがしばしばある。しかし、レミマゾラムには拮抗薬が存在し、気道閉塞が生じたとしても拮抗薬を投与することでその副作用(上気道閉塞)は消失するため、安全に静脈内鎮静法を行うことが可能になると考えられる。本研究では歯科治療中の静脈内鎮静法に対するレミマゾラムの安全性や有効性を検討する。
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研究実績の概要 |
本邦で2020年に発売されたレミマゾラムは全身麻酔での適応が得られているが静脈内鎮静法では適応が得られていない。そこで、レミマゾラムによる静脈内鎮静法の安全性及び至適投与量を探索するために本研究を行うこととした。 レミマゾラムを0.05(S1群),0.1(S2群),0.15(S3群)mg/kgの用量で単回静脈内投与したときの鎮静深度はMOAA/Sスコア(最小値(中央値 [範囲]))にて,S1群:4[3-5],S2群:2[0-4],S3群:0[0-0]、作用発現時間(平均値±標準偏差)はすべての群で2.0±0.0分と速やかに歯科鎮静に有効な鎮静深度を得ることができた。しかし、作用持続時間はS1群:9.6±13.2分,S2群:8.8±4.6分,S3群:18.0±14.1分と短時間であったため、歯科鎮静では持続投与が必要であると考えられた。 レミマゾラムを0.2(C1群),0.4(C2群),0.6(C3群),0.8(C4群)mg/kg/hの用量で120分間静脈内投与を行ったところ、MOAA/Sスコアが4になるまでの作用発現時間(平均値±標準偏差)は,C1群:12.3±2.3分,C2群:7.0±2.1分,C3群:5.0±1.3分,C4群:4.5±0.8分であった.各群の定常状態におけるMOAA/Sスコアは,C1群:2-3,C2群:1-3,C3群:1,C4群:1と十分な鎮静深度を得ることができた.以上より,歯科鎮静におけるレミマゾラムの至適投与量は0.2-0.4 mg/kg/hであるとことが示唆されたが、持続投与のみでは作用発現までに7-12分を要するため、0.08 mg/kgの単回投与後に持続投与を行うことが必要であると考えられた。 そこで現在、レミマゾラムを0.08 mg/kgで単回投与した後に0.2-0.4 mg/kg/hで投与した際の鎮静深度および安全性を探索中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
被験者のリクルートが遅れているため、研究の進捗状況はやや遅れていると評価した。 しかし、6ヶ月以内に残りのデータ採取は可能であるため、当初予定していた2024年度内に本研究は終了できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
【2024年度】 単回+持続投与群(SC3群およびSC4群)のデータ採取を行い、第44回 日本臨床麻酔学会(2024年11月)にて学会発表を行う。さらに、最終成果物として論文を作成し、海外の麻酔学分野の関連学術雑誌に投稿する。
【特定臨床研究に関する事項】 研究終了時にCRBにて審査を受け、jRCTへ研究終了の届出を行う。
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