研究課題/領域番号 |
21K10061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 恵 東北大学, 歯学研究科, 講師 (20431512)
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研究分担者 |
笹野 泰之 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30196191)
多田 浩之 東北大学, 歯学研究科, 講師 (70431632)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 歯胚移植 / GFPマウス / 歯根膜再生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、GFPマウスから摘出した歯胚を野生型マウスの抜歯窩に移植し、移植後に再生される歯根膜を蛍光で可視化することで、歯根膜の細胞が緑色蛍光を発するドナー由来か、緑色蛍光を発しないレシピエント由来かを明らかにする。さらに、再生された歯根膜に含まれる細胞を「ドナー由来の細胞(GFP陽性細胞)」と「レシピエント由来の細胞(GFP陰性細胞)」に分離し、発現している遺伝子を網羅的に解析することで、歯根膜再生に関与する分子を探索する。本研究により得られる結果は、歯根膜再生メカニズムの解明に寄与し、移植の予後改善に貢献するものである。
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研究実績の概要 |
本研究はGFPマウス(ドナー)の歯胚を野生型マウス(レシピエント)の抜歯窩に移植し、移植後に再生された歯根膜がドナー由来(GFP陽性細胞)かを明らかにすることを目的とする。さらに、再生された歯根膜に含まれる細胞をドナー由来のGFP陽性細胞とレシピエント由来のGFP陰性細胞とに分離し、網羅的遺伝子解析を行うことで各細胞集団における発現遺伝子の特徴を明らかにすることを目指す。 初年度に、GFPマウス歯胚を用いた歯胚移植モデルを確立し、これまでに、生後8日齢のGFPマウス歯胚を生後8日齢の野生型マウス抜歯窩に移植する予備実験を実施し、生後3週までの歯根の伸長と萌出について観察を行い、概ね良好な結果を得ている。しかし、多くの移植歯が近心傾斜しており、正常な向きで萌出しないという課題があった。これを解決するために、当該年度は野生型マウス同士で移植を行い、移植時の歯胚の向きに注意しつつ移植方法の改良に着手した。移植歯の傾斜を改善することができたため、現在、GFPマウスによる実験を再開するところである。 また、移植後1週・2週・3週で移植歯とその周囲の組織を摘出し、固定後にそれぞれ20日・25日・30日間脱灰を行い、パラフィン切片を作製後、蛍光顕微鏡にて観察し、再生された歯根膜がドナー由来かレシピエント由来かを検討中である。蛍光顕微鏡像とヘマトキシリン・エオジン染色像とを重ね合わせた像の取得を試みている。さらに、隣接切片を用いてGFP抗体を用いた免疫染色を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
動物飼育施設の改修工事が行われたことにより、動物実験が実施不可の期間が長期にわたったため、実施予定であった各種実験を行うことができず、本研究計画に大幅な遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
まずは改良を行った移植実験系を用いて、GFPマウス歯胚の野生型マウス抜歯窩への移植を行い、蛍光顕微鏡にて再生された歯根膜がドナー由来かレシピエント由来かを確認する。 次に、移植後に再生された歯根膜中の細胞をフローサイトメトリー法により選別し、ドナー由来とレシピエント由来の細胞に分離し、それぞれの細胞群からトータルRNAを抽出して網羅的遺伝子解析を試みる。さらに、蛍光顕微鏡観察と並行してGFP抗体を用いた免疫染色を行うことを検討する。
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