研究課題/領域番号 |
21K10064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
林 孝文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80198845)
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研究分担者 |
小林 太一 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20829600)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 舌癌 / 深達度 / 超音波診断 / 多機関共同研究 / モバイルオーラルエコー / 口腔内走査 / 音響カップリング材 / 口腔内超音波診断 / 多施設共同研究 |
研究開始時の研究の概要 |
モバイルオーラルエコー(R)は研究代表者らの監修・指導のもとに2021年度中に上市予定のタブレット型超音波診断装置であり、歯ブラシ型の小型探触子を有し口腔内走査が容易で、コンパクトで軽量かつ安価で簡便に検査が可能である。また画像表示にウェアラブルモニタでの動画観察を併用することで、口腔内探触子の操作の視野のまま画像を確認することができ、診断精度の向上が期待される。 本研究は、舌癌の口腔内超音波診断に実績のある協力施設4地域5施設による多施設共同研究として、同一装置を用いて共通の撮影条件にて同時に行い、深達度(DOI)の診断精度を検証しその向上ならびに本システム普及のための方策を明らかにする。
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研究実績の概要 |
令和4年度(2022年度)においては、モバイルオーラルエコーの開発はほぼ完了したものの、医薬品医療機器総合機構における承認審査に時間がかかっているために、年度内には本来予定していた装置の購入と研究協力5施設への貸与が引き続き不可能となった。このため、本研究のもうひとつの独自性である、口腔内超音波走査時に口腔内を目視確認しながら、視線移動なしに同一視野のリアルタイム動画で確認するための動画表示のウェアラブル化について検討を行った。これは、超音波診断の最大の欠点として挙げられている、診断精度の検査医依存特性を克服するためのアプローチである。東京メガネ・エンハンラボ事業部製のウェアラブルモニタb.g.を導入し、モバイルオーラルエコーを想定してタブレットに接続して試用を行った。タブレットにはApple社製iPadを用いて、当施設に導入されたポケット型超音波診断装置GE社製Vscan Airを接続し、ウェアラブルモニタb.g.に超音波画像を映し出して、目視下での探触子操作と協調させて動画の取得が可能かつ容易であることを確認した。なおVscan Airではモバイルオーラルエコーの探触子とは異なり、口腔内走査は困難であるが、舌を牽引して走査することで代替とした。一方、昨年度に引き続き口腔内超音波診断における舌癌の深達度(DOI)の計測精度について病理組織像における計測値とのずれとその改善策について検討を行い、査読つきの学会雑誌に総説として報告した(口腔癌深達度における画像と病理のdiscrepancyをどう読むか.口腔腫瘍 2022;34(4):151-158)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予定通りモバイルオーラルエコーの開発には年度内に目処が立ち、薬事申請の方向に進んだものの、医薬品医療機器総合機構における承認審査に時間がかかっており、装置の購入と研究協力5施設への貸与ができない状況となっている。現在、京都科学社に舌癌ファントムの作成を依頼しており、薬事承認と並行して開発の完了したモバイルオーラルエコー装置で実験を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度(2023年度)当初に京都科学社に舌癌ファントムの作成について、詳細な仕様を呈示して試作について相談済みである。舌癌ファントムが入手でき次第、これを使用して研究協力5施設において現有装置での撮影条件の確認を進める。またモバイルオーラルエコーの薬事審査が進めば、年度内に各施設への貸与が見込める。
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