研究課題/領域番号 |
21K10073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
谷本 圭司 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (90335688)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん分子標的治療 / 低酸素 / プレシジョンメディシン / Hypoxia / siRNA / hypoxia / molecular target / gene expression / oral cancer / HIF |
研究開始時の研究の概要 |
がん分子標的薬開発への直結を目指し,がん細胞の生死を指標としたスクリーニングとがん特有の微小環境である低酸素シグナル制御遺伝子の情報を掛け合わせて選ばれた候補遺伝子の有用性を評価し,機能解析により得られた情報から効果や副作用の応答予測開発を行う。ヒトゲノムsiRNAライブラリーを用いた遺伝毒性スクリーニングと,RNAシークエンス解析から,低酸素環境下で発現量が調節されていて,がん細胞の生死に関わる分子を同定し,様々な臓器由来のがん細胞やヌードマウス移植がん細胞を用いて,その抗がん分子標的としての有用性を検証する。一方,遺伝子機能も明らかにし,機能に基づく治療応答性予測法を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では,網羅的遺伝子解析からがん特異的微小環境である低酸素環境下で働く遺伝子群と,遺伝毒性スクリーニングから選び出されたがん細胞の生死に直接関わる遺伝子群を掛け合わせて,がん治療の分子標的候補として39遺伝子を選び出した。さらに,ウェブ解析ツールにより,頭頸部がんにおいてその遺伝子の高発現が不良予後と関連することが示された3遺伝子に絞り込んだ。そのうち一つは既知のEGFR遺伝子であったが,PおよびP2(仮称)遺伝子に関しては,論文報告が少なく,特にがんとの関連性については殆ど見当たらないなど,まだまだ注目されていないことが明らかとなり,新規治療標的分子となり得る可能性が高いことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん分子標的治療薬は,がん治療を大きく進歩させ,プレショジョン医療が現実のものとなった一方で,治療法が見つかる症例は全体の数~十数%といわれており,有効な治療法の見つからない症例に向けた新たな分子標的薬の開発や関連シグナルのさらなる解明が強く望まれている。 がん分子標的薬開発への直結を目指し,がん細胞の生死を指標としたスクリーニングとがん特有の微小環境である低酸素シグナル制御遺伝子の情報を掛け合わせて,さらに公共データベースからがんの予後に関係し,文献的に新規であることなどの条件を満たした有力な新規抗がん分子標的候補遺伝子を見出した。新規抗がん分子標的治療法の開発につながると期待された。
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