研究課題/領域番号 |
21K10085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
疋田 温彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (60443397)
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研究分担者 |
阿部 雅修 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10392333)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30344451)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 骨モデリング / 骨リモデリング / In vivo系 / Wntシグナル / イメージング / Wntシグナル系 / Wntシグナリング |
研究開始時の研究の概要 |
骨モデリング・リモデリングin vitro再現系と、Wntシグナル活性検出蛍光プローブを用いて、骨モデリング、骨リモデリングにおけるWntシグナル活性変化を細胞ごとに、時空間的に解析する。さらに、Wntシグナル活性に影響を及ぼす様々な分子や薬剤を投与し、Wntシグナル活性変化と細胞の挙動変化をあわせて解析し、骨モデリング、骨リモデリングにおいて観察される現象とWntシグナル活性との関連を明らかにする。
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研究実績の概要 |
Wntシグナル活性化物質であるBIOや、骨粗鬆症治療に一般的に用いられるビスフォスフォネートの一種であるゾレドロネート、カテプシン阻害剤であるE64など様々な薬剤が骨恒常性に与える影響を検討するために、骨モデリング、リモデリングをin vitroで再現した実験系を用いて検討した。 位置情報を含めた解析を可能とするために、解析法の改良を行った。Region of Interest (ROI)を16分割して、それぞれの領域における基質、骨芽細胞、破骨細胞パラメーターを定量化し、それぞれの間の相関について解析した。その結果、骨吸収と骨形成の両者が見られた領域においては、吸収量と形成量の間に中等度の相関がみられた。すなわち、吸収と形成は量的および空間的に関連していることが示された。また、破骨細胞パラメーターと基質吸収量、骨芽細胞パラメーターと基質吸収量に相関がみられた。しかし、骨芽細胞パラメーターと基質形成量あるいは破骨細胞パラメータとの相関がみられず、解析法のさらなる改良が必要と考えられた。 投与した薬剤のうち、ビスフォスフォネートの一種であるゾレドロネートについては、投与した際に吸収と形成の両者が抑制されたが、それらの量的・空間的相関は保たれていた。一方、カテプシン阻害剤であるE64を投与したところ、この相関がみられなくなったことから、カテプシン阻害はカップリングを乱すことが示唆された。しかし、カテプシン阻害においては、吸収期のうちに吸収窩が速やかに埋まる像が散見され、吸収期および形成期全体を通じた変化量の比較ではこの現象をとらえられていない可能性が考えられたため、この現象をとらえることが可能な解析法の検討に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、2年目に骨モデリングにおける薬剤投与の影響の検討、3年目に骨リモデリングにおける薬剤投与の検討を行う予定であったが、前者は1年目に、後者は2年目に開始できており、順調に進んでいると考えられるため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、骨リモデリングにおける薬剤添加の影響を検討する。BIO、塩酸リチウムやsclerostin中和抗体の添加によるWntシグナル活性促進や、Sclerostin添加によるWntシグナル活性抑制により、in vitro再現系における骨リモデリングの各時期(吸収期、形成期)に及ぼす変化を検討する。 また、骨芽細胞パラメータが基質吸収や破骨細胞のパラメータと相関がみられなかったこと、カテプシン阻害において吸収期のうちに吸収窩が速やかに埋まる現象をとらえられていないことについて、これらを改善できるような解析法について検討する。
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