研究課題/領域番号 |
21K10093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
皆木 瞳 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 特別研究員(RPD) (70754810)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 唾液腺 / 発生 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
唾液分泌障害に対し、唾液腺を修復する再生医療の確立が期待されている。しかし唾液腺をはじめ外分泌腺の発生過程にいまだ不明な部分が数多くあり、唾液腺の組織再生は難航している。顎下腺、耳下腺、舌下腺また小唾液腺と多くのバリエーションがある唾液腺の臓器再生を図るためには、発生生物学に基づく遺伝子の詳細な解明が必須である。本研究では唾液腺の臓器ごとの起源に着目し発生過程を解明することで、口腔乾燥症の治療応用へと展開するための研究基盤を確立することが目的である。
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研究実績の概要 |
唾液分泌障害に対し、唾液腺を修復する再生医療の確立が期待されている。しかし唾液腺をはじめ外分泌腺の発生過程にいまだ不明な部分が数多くあり、唾液腺の組織再生は難航している。顎下腺、耳下腺、舌下腺また小唾液腺と多くのバリエーションがある唾液腺の臓器再生を図るためには、発生生物学に基づく遺伝子の詳細な解明が必須である。本研究では唾液腺の臓器ごとの起源に着目し発生過程を解明することで、口腔乾燥症の治療応用へと展開するための研究基盤を確立することが目的である。本年度は唾液腺の初期発生を明らかにすることを目的にした。細胞の運命は胚発生初期にまず外胚葉、内胚葉、中胚葉に分かれ、その後それぞれ、神経系や内臓、骨などに順次分化して行く。通常、これらの胚葉を超えて組織を分化させることは難しいため、細胞の系譜情報は非常に重要である。教科書や多くの文献では、耳下腺は外胚葉由来、顎下腺・舌下腺は内胚葉由来であると考えられてきた。しかしながら近年その由来には疑問が呈されている。TRiCK(TRiple Coloured germ layer Knock-in)マウスはSox1、Brachyury, Sox17にそれぞれ異なる蛍光がついたマウスで、慶応大学で作成された。TRiCKマウスを本学に導入し、唾液腺ならびに同じ外分泌腺である涙腺の初期発生を明らかにすることを目的に解析を行った。将来的には発生起源に基づいた、成体における反応性の違いも明らかにしたいと考えている。本研究計画によって基礎研究から臨床応用までの一貫した研究の基盤を確立できると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
外胚葉由来細胞系譜に対してSox1遺伝子、内胚葉由来細胞系譜に対してSox17遺伝子をそれぞれ発生時に組織全体で発現することを利用しTRiCKマウスのcell lineage解析を実施している。細胞の系譜と分布をそれぞれ解析することで唾液腺が発生中の胚のどの細胞から作られるかを明らかにすることを目的に、組織学的に解析を実施している。 予定がやや遅れている理由としては予定以上に解析に適した遺伝子改変マウスが得ることが困難であったことがあげられる。唾液腺というのは顎下腺、耳下腺、舌下腺また小唾液腺と多くのバリエーションがあり、組織再生を目指す上でそれぞれの唾液腺ごとの器官形成の全容を解明することが求められている。現在、顎下腺と涙腺の解析は一部終了しており、舌下腺および耳下腺の解析を順次行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在の解析から、唾液腺だけでも発生学的由来に個体差があることが示されている。その個体差が何に起因するものなのか、明らかにすることが必須であると考えている。さらにその個体差によって、疾患の罹患しやすさや組織再生の違いなどがあるかどうか確認していく予定である。またそれと並行して、第唾液腺の種類による違いを明らかにしていく予定である。
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