研究課題/領域番号 |
21K10107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菊地 奈湖 (間石奈湖) 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (00632423)
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研究分担者 |
樋田 京子 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (40399952)
樋田 泰浩 北海道大学, 大学病院, 准教授 (30399919)
篠原 信雄 北海道大学, 医学研究院, 教授 (90250422)
大廣 洋一 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (40301915)
松田 彩 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (60514312)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | がん / 転移 / 腫瘍血管内皮細胞 / 腫瘍血管 |
研究開始時の研究の概要 |
転移は予後を左右する重要な因子であり,がんの治療において転移の予測やその制御は重要である.申請者らはこれまで腫瘍血管を裏打ちする腫瘍血管内皮細胞の異常性について検討し,腫瘍血管内皮細胞由来液性因子によりがん細胞の遊走が促進され,がんの転移が促進されることを報告した.本研究では,血液中に存在するがん細胞塊ががんの悪性化に関与すると仮説を立て,がん細胞塊による新たながん悪性化促進機構を分子生物学的に明らかにし,転移などの予後予測への応用やその制御を目指す.
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研究実績の概要 |
転移は予後を左右する重要な因子であり,がん治療において転移の予測やその制御は重要である.申請者らはこれまで見出してきた腫瘍血管内皮細胞の異常性の知見をもとに,血液中で腫瘍血管内皮細胞ががん細胞と細胞塊を形成し,転移を促進するなどがんの悪性化に関与すると仮説を立てた.本研究では血液中におけるがん細胞塊に着目し,腫瘍血管内皮による新たながん悪性化促進機構を明らかにすることを目的とした.手術摘出組織標本を用いて,血管腔内における細胞塊の構成要素を組織免疫染色により評価し,がん細胞と血管内皮細胞で構成される細胞塊であることを見出した.がん患者血液中に細胞塊が存在するかどうか,サイズの違いにより血球細胞と細胞塊を分離可能なデバイスを開発し,実際に血管内皮細胞を含む細胞塊が存在することを明らかにすることができた.さらに,in vitroでがん細胞と血管内皮細胞で構成される細胞塊を形成後,in vitro/ in vivoにおいて,がん転移における役割を解析した.現在,がん細胞-腫瘍血管内皮細胞塊によるがん転移促進に関わる分子機構について検討している.具体的には,腫瘍血管内皮細胞と細胞塊を形成することでがん細胞で亢進するパスウェイ・分子と,それらに影響を与える腫瘍血管内皮細胞で発現亢進している分子について複数の候補分子をトランスクリプトーム解析ならびにパスウェイ解析により選出し,siRNAを用いた検証実験を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
血液から細胞塊を濃縮する方法について,新しくデバイスを開発するのに時間を要したため.
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今後の研究の推進方策 |
血管腔内で検出された細胞塊の構成要素と分子発現について検討する.選出したがん転移促進に関わる候補分子について,in vitro/ in vivoにおいて詳細に解析し,責任分子を同定する.さらに臨床組織検体を用いてそれらの分子の発現と臨床病理学的因子との関係を明らかにする.
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