研究課題/領域番号 |
21K10109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
丸山 智 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30397161)
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研究分担者 |
阿部 達也 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70634856)
山崎 学 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10547516)
田沼 順一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20305139)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Hypoxia / HIF-1α / CD73 / Pleomorphic adenoma / hypoxia / pleomorphic adenoma / ECM |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍自身の分泌する細胞外基質(ECM)が豊富に蓄積することで低酸素環境下にある腫瘍間質のなかで、腫瘍細胞自身がCD73を発現することで、既知のCD73/アデノシン経路を介して免疫系に及ぼす機能とは別の、腫瘍細胞自身の生存・増殖に直接関わる機能を持っているのではないかと推測し、以下の3点について明らかにすることで、仮説を検証する。 ①低酸素環境下での腫瘍細胞におけるCD73発現とECM合成能の検証 ②腫瘍細胞性格や腫瘍間質に注目したCD73発現パタンと機能評価 ③ECMの存在下でのCD73を介した細胞増殖関連液性因子の検討
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研究成果の概要 |
低酸素誘導因子(HIF)活性化機構の標的分子の一つであるCD73の低酸素下での細胞機能における役割を調べた。唾液腺多形腺腫由来細胞系SM-AP細胞系を用いた細胞機能解析より、細胞外基質が豊富な腫瘍間質の中で、腫瘍細胞自身がCD73を発現し、腫瘍細胞の増殖や遊走能を亢進している可能性が示された。細胞増殖関連液性因子の網羅的解析から、CXCL10など、CD73を介した低酸素応答性増殖機構の候補分子として考えうる候補分子を見出した。ヒト腫瘍組織材料での組織学的解析から、腫瘍細胞以外にもリンパ球及び線維化等の間質誘導がみられる腫瘍では、腫瘍細胞に代わって間質細胞からのCD73供給の可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍は低酸素状態という特異な微小環境下において、低酸素誘導因子(Hypoxia inducible factors: HIF)により引き起こされる低酸素応答を介した生存・増殖をおこなっている。今回、我々はHIF活性化機構の標的分子の一つであるCD73が低酸素下で細胞機能に果たす役割を検討した。その結果、細胞外基質が豊富な腫瘍間質の中で、HIF活性化機構の標的分子の一つであるCD73の高発現が、腫瘍細胞の増殖や遊走能を亢進し、生存・維持に寄与している可能性が示された。CD73を介した腫瘍特異的な低酸素応答性増殖機構を標的とした新たな抗腫瘍治療への展望を見出すことができたと考える。
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