研究課題/領域番号 |
21K10121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
永易 裕樹 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90265075)
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研究分担者 |
植原 治 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00709248)
吉田 光希 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (30453260)
原田 文也 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (30824205)
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90260819)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 口腔がん / エピゲノム / DNA脱メチル化剤 / DNAメチル化剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦における口腔がんは、高齢化に伴い増加傾向にある。口腔がんの90%以上を占める扁平上皮癌の治療法として、外科療法・頸部郭清術に加え、化学・放射線療法が行われているが、口腔がん全体の原発巣再発率はおよそ13~30%で、口腔がん全体の5年生存率はおよそ60~70%であることから、治癒率向上のための新規治療法の開発が望まれる。本邦では近年、骨髄異形成症候群と皮膚T細胞性リンパ腫に対し、DNAメチル基転移酵素阻害剤とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤による最先端のエピゲノム薬治療が臨床応用されている。本研究では、エピゲノム薬を応用した口腔がんの新規治療法の開発を検討する。
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研究実績の概要 |
本邦における口腔がん全体の原発巣再発率は13~30%で、口腔がん全体の5年生存率は60~70%であることから、治癒率向上のための新規治療法の開発が望まれる。本邦では、骨髄異形成症候群と皮膚T細胞性リンパ腫に対し、DNAメチル基転移酵素阻害剤(DNMTi)とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)によるエピゲノム薬治療が臨床応用されているが、口腔がんへの応用には至っていない。本研究では、口腔がんのDNAメチル化異常とヒストンアセチル化異常の解析を行うことでエピゲノム異常遺伝子の同定を行い、DNMTiとHDACiの腫瘍抑制効果を検証する。 今年度は昨年度の5-Azacytidineから、より毒性が低く化学的安定性が高いZebularine(Zebu)に変更し細胞培養実験を行った。高分化型舌扁平上皮癌細胞株HSC4を用いてDNMTiのZebuおよびHDACiのValproic acid(Vpa)添加によるHSC4の細胞増殖抑制を検討した後、HSC4にZebuとVpaを共添加し7日間培養を行い、次世代シーケンサーによるRNA発現網羅的解析を行った結果、対照群と比較し発現上昇を示した遺伝子の上位にがん抑制遺伝子CNTN4が確認された。次に、がん抑制遺伝子p16,p21,RASSF1,NPY ,CNTN4について定量的RT-PCR法を行った結果、Zebu・Vpa共添加群において有意なmRNA発現上昇を認めた。これらの遺伝子について定量的メチル化特異的PCR法を行った結果、Zebu・Vpa共添加群でのDNAメチル化率の有意な低下を認め、ZebuのDNA脱メチル化作用がmRNA発現上昇に影響したことが確認された。またin situ HDAC activity assayの結果、Zebu・Vpa共添加群において有意なHDAC活性低下を認め、Vpaの作用が効果を示したことが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、DNMTiやHDACiの種類・濃度の選定に時間を要し、細胞培養実験を行ったものの、予定していた動物実験を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
細胞培養実験の結果に基づき、予定していた動物実験を行う。特に動物実験では個体差によるデータのばらつきが大きいことから、充分な量のサンプル数を確保する対応策を検討している。
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