研究課題/領域番号 |
21K10122
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
飯島 毅彦 昭和大学, 歯学部, 客員教授 (10193129)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | glycocalyx / permeability / endothelial surface / fluid therapy / crystalloid / アルシアンブルー / 走査型電子顕微鏡 / 透過型電子顕微鏡 / 敗血症モデル / グリコカリックス / 肺血管 / マクロファージ / 誤嚥性肺炎 / LPS / FACS解析 / 好中球 / 免疫化学染色 / 血管透過性 / 血管内皮障害 |
研究開始時の研究の概要 |
血管内皮障害は病的な血管透過性の亢進をもたらし、さまざまな疾患を形成するうえで大きな役割を果たしている。この血管内皮障害(angiopathy)には血管内皮を被覆する構造物であるglycocalyxが大きな役割を果たしているが、その病態生理は不明である。本研究ではマクロファージに注目し、glycocalyxとマクロファージの相互作用を明らかにし、angiopathyの成立過程を検討するものである。
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研究実績の概要 |
本研究では、2つの研究計画を推進した。gycocalyxの崩壊は間質への水分の貯留を引き起こし、肺水腫に代表される重篤な病態にいたる。このglycocalyxの崩壊にmacrophageは関与していることが示されてきた。本研究ではmiceの抗白血球抗体を用いたモデルを用いてmacrophageによるglycocalyxの崩壊について検討した。抗白血球抗体は白血球を活性化し、肺へ集積させ、macrophageの肺血管から間質への移動も引き起こす。このモデルを用いてmacrophageをclodronateにより薬理学的に除去するとglycocalyx層の崩壊が抑制され、肺水腫の形成が抑制された。また、heparin sulfateの投与により浮腫の形成はさらに抑制されることが示された。以上の結果より肺血管内皮障害にmacrophageの重要な役割が示された。また、hepatin sulfateによりこの病態機序に介入することができることも示された。 一方、方法論としては血管内皮を覆うglycocalyx層の病理標本から観察する方法論を検討した。特に肺標本を観察する場合は血管から灌流固定液を流し込んで血管内容物を流すとともに内皮の構造を固定する。しかし、この方法はヒトの病理標本には応用できない。本研究では浸漬固定された標本でAlucian blueを用いて血管内皮構造を観察する方法を開発した。この方法では灌流の必要がないためにすでに浸漬固定した標本でのglycocalyxの観察が可能となった。また、標本作成期間も6日から2日に短縮された。glycocalyxのhegative controlとしては敗血症マウスを用いた。この方法で得られた透過型および走査型電子顕微鏡像をこれまでlanthanumの灌流固定標本の画像と比較したところ、同程度の解像度が得られることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定通りの進捗であり、現在、論文作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で開発された浸漬標本を用いたglycocalyx観察のための電子顕微鏡画像調製法は広く、病理標本にも応用される。実際の患者標本でglycocalyxを観察することにより、さまざまな病態の成立にglycocalyxがいかに関与しているかを明らかにすることができる。今後は臨床での応用が可能になると研究領域は拡大することが期待される。また、macrophageの血管内皮障害のメカニズムに関与していることが示されたことにより、血管内皮障害の病態解明が進展することが期待される。その治療法開発に関してはheparin sulfateが効果があることが示されたことにより病態進展への介入方法も今後進呈されることが期待される。
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