研究課題/領域番号 |
21K10123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
澁田 郁子 (鈴木郁子) 日本大学, 歯学部, 専修研究員 (60459906)
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研究分担者 |
篠田 雅路 日本大学, 歯学部, 教授 (20362238)
三枝 禎 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50277456)
人見 涼露 日本大学, 歯学部, 講師 (70548924)
林 良憲 日本大学, 歯学部, 准教授 (80582717)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 幼少期ストレス / 一次侵害受容ニューロン / 三叉神経節 / 母子分離ストレス / 頭頸部疼痛 / 衛星細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
幼少期ストレスは,成熟期の感覚神経系にさまざまな機能的変化を引き起こす。幼児期の虐待経験は成熟期に発症する頭頸部筋痛を増悪させることが報告されていることから,幼少期ストレスは頭頸部疼痛伝達系に可塑的変化を引き起こし,成熟期の異常疼痛強度の調節に関与する可能性がある。研究代表者らは,これまでに頭頸部のさまざまな異常疼痛には三叉神経節に存在する衛星細胞や炎症性細胞といった非神経細胞の活性化が重要な役割を果たすことを解明してきた。本研究では, 幼少期ストレス負荷モデル動物を作製し,幼少期ストレスに起因した成熟期に発症する頭頸部疼痛に対する三叉神経節内の活性化衛星細胞の機能的役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
生後4日目のラット口髭部皮膚に切開縫合し、さらに生後7週目に口髭部皮膚を再切開した群では、機械逃避反射閾値の低下が亢進し、小型から中型の口髭部投射Nav1.8陽性TGニューロン数の増加が亢進した。また、再切開群においてNav1.8阻害により機械逃避反射閾値低下の亢進が抑制された。三叉神経節内のマクロファージにCCL2が発現し、CCR2の阻害は口髭部投射Nav1.8陽性TGニューロン数の増加を抑制した。 新生児期切開による成体期切開後の機械痛覚過敏亢進には、CCL2シグナルを介した口髭部投射TGニューロンでのNav1.8発現増加によるニューロン活動亢進が関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで注目されてこなかった幼少期ストレス負荷による免疫細胞-侵害受容ニューロン間コミュニケーションの可塑的変化によって発症する頭頸部疼痛の分子基盤を解明したことであり,学術的独自性が高い研究であると確信する。本研究の成果は,幼少期ストレス負荷に起因した成熟期に発症する顎顔面部領域の異常疼痛発症のメカニズム解明に留まらず,臨床応用を念頭においてEBMに基づいた異常疼痛治療に対するターゲット分子の同定に寄与し,新規治療法の創造に繋げることができる。
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