研究課題/領域番号 |
21K10128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 一般社団法人プラズマ化学生物学研究所 |
研究代表者 |
鈴木 真奈美 一般社団法人プラズマ化学生物学研究所, 研究部, 研究員 (10842883)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 酸化ストレス / 活性酸素 / 低温大気圧プラズマ / 扁平上皮癌 / 抗腫瘍活性 / オゾン / フェロトーシス / 一酸化窒素 / 低温大気圧プラズマ照射液 / 口腔癌 / アポトーシス抵抗性 / 細胞死 / プラズマ照射液 |
研究開始時の研究の概要 |
プラズマは、部分的なイオン化状態(陽イオンと電子が一緒に運動)の気体で、固体、液体、気体に次ぐ物質の第四番目の存在状態である。低温大気圧下で生成するプラズマ(低温大気圧プラズマ)は腫瘍選択的な細胞傷害活性を持ち、その照射液も同様の作用を持つ。申請者らは空気を用いたプラズマ照射液(APAM)を作出し、これが強い抗腫瘍活性を示す事を見出した。APAMが誘発する細胞死は、活性酸素および鉄依存性の非アポトーシス細胞死であると考えられた。本研究ではこの細胞死メカニズムを明らかにし、患者癌モデルを用いて治療有効性を検証し臨床応用につなげることを目的とする。
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研究成果の概要 |
低温大気圧空気プラズマ照射液が扁平上皮がんを強く傷害する一方で正常細胞はほとんど傷害しないことを発見した。また細胞傷害に伴って、ミトコンドリアが傷害された細胞核の辺縁に集まるという特異的なミトコンドリア動態変化が誘発されることを見出した。細胞死のメカニズムとしては、腫瘍細胞のミトコンドリアの中に含まれる鉄と活性酸素の反応による過酸化脂質の生成を促してミトコンドリアの中に酸化ストレスが誘発されること、この酸化型となったミトコンドリアが細胞核近くに移動して細胞核を傷害することが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、空気プラズマが鉄依存性経路による細胞傷害を誘導し、この経路としてミトコンドリア動態変化を介する酸化型ミトコンドリアの細胞核への接近が関与することを初めて明らかにしたことである。この成果は、空気プラズマ照射液による腫瘍標的型治療の分子基盤を提供する。このミトコンドリアの形態変化は腫瘍選択的にみられたことから、ミトコンドリアの酸化ストレス誘導は腫瘍細胞選択的な細胞傷害のための有力な標的となることが期待される。
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