研究課題/領域番号 |
21K10130
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安田 元昭 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (90239765)
|
研究分担者 |
東野 史裕 北海道情報大学, 医療情報学部, 教授 (50301891)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 腫瘍溶解ウイルス / アデノウイルス / 口腔がん / オートファジー / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまで、がん細胞で選択的に増殖し腫瘍細胞のみを破壊するアデノウイルスを開発してきたが、放射線抵抗性のがん幹細胞様細胞ではアデノウイルスの複製が抑制される傾向があることが分かった。今回の研究計画では、このような弱点を克服し、①がん幹細胞様細胞においても効率的に複製する腫瘍溶解ウイルスを作成すること、②幹細胞の持つウイルス感染防御機を明らかにすることを到達目標とする。放射線抵抗性細胞株と親株の遺伝子発現プロフィールを比較し、オートファジー関連遺伝子との関連性に重点を置き候補遺伝子の絞り込みを行っていく。最終的には、これら排除機構に対応できるように腫瘍溶解ウイルスをアップグレードしていく。
|
研究実績の概要 |
アデノウイルス初期プロモーター(E4) Luciferase上流にNanogプロモーター配列(7788525-7789557: NC_000012.12)をクローニングし、HeLa細胞を用いて、山中4因子(Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Myc)の強制発現によるルシフェラーゼ発現変化を検討した。この実験では、山中4因子のうちOct3/4, Sox2がルシフェラーゼ発現を有意に抑制した。この配列をアデノウイルスE4プロモーターの上流に組み込んだところ、Oct3/4, Sox2によるE4プロモーターの抑制効果はキャンセルされ、このようなプロ―モータ領域を有するヒトアデノウイルスE4領域の転写は野生型に比較してKLF4により有意に活性化される可能性が示唆された。E4領域の転写はアデノウイルス増殖に必須であるが、感染初期に自然免疫応答にて活性化されるNF-kBとE4タンパク質の関りについての検討においてはE4orf4が直接結合することにより、E4orf6/7がE2F4を介することによりNF-kBの転写活性化能を抑制することが明らかとなった。GFP-LC3を導入したHeLa細胞に野生型アデノウイルスを感染させると、感染に時間後には顕著に観察されるLC3の顆粒状構造が感染16時間後にはほとんど消失することが明らかとなった。E1B19K標的タンパク質とp62/SQSTM1との結合についての解析では、BNIP1が主要な結合パートナーでありBNIP3はSQSTM1との結合性を示さなかった。一方、LC3との結合性を同様なTwo Hybrid法で検討してみると、ここではBNIP3のみが顕著な結合性を示した。
|