研究課題/領域番号 |
21K10140
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
上杉 篤史 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (20637061)
|
研究分担者 |
栗尾 奈愛 徳島大学, 病院, 講師 (80622141)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | microRNA / 口腔癌 / 網羅的スクリーニング / Drug Delivery System |
研究開始時の研究の概要 |
microRNAを用いた口腔癌治療の開発を目的に、microRNAの細胞増殖抑制活性機能に注目した網羅的スクリーニングを行い、口腔癌の細胞増殖を抑制するmicroRNAを候補として選出する。これらが口腔癌の細胞増殖活性に与える影響を解析し、Drug Delivery Systemの開発を視野に入れた臨床応用を目指す。 ①候補として選定したmicroRNAの口腔癌における発現解析、②癌増殖抑制活性の検討、③分子機序の解析を計画する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、新たな癌治療法として癌抑制遺伝子型microRNA replacement therapyの確立を目標としている。合成二本鎖microRNA(ds-miRNA)ライブラリーを口腔癌細胞株に遺伝子導入することで機能的スクリーニングを施行する。選出した候補microRNAに対し、その本来の発現状態を調べ、分子機序の総合的解析を行う。 分化を誘導した正常粘膜由来不死化細胞RT7および口腔癌細胞株NA、SAS、SKN3に対し、327種類の合成ds-miRNAが搭載されているライブラリー(Ambion社)を 使用し、各細胞株に網羅的に遺伝子導入を行い、各細胞株におけるin vitroでの細胞増殖状能をMTT法で数値化した。分化を誘導した正常粘膜由来不死化細胞RT7では細胞増殖抑制活性がなく(cut off値≧0.70)、かつ口腔癌細胞株NA、SAS、SKN3では細胞増殖抑制活性がある(cut off値<0.50)条件で絞り込みを行ったところ20種類のmicroRNAが選出された。さらに口腔癌において新規性のあるmicroRNAに注目し、Pub Medを使用し文献的な検索を行ったところ、8種類のmicroRNAが選出された。 分化を誘導した正常粘膜由来不死化細胞RT7および口腔癌細胞株からRNAを抽出し、選出されたmicroRNAの発現解析を行ったところ、RNAレベルで癌細胞において特異的に発現が低下している2種類のmicroRNA-XとmicroRNA-Y (laboratory name)が選出された。これらのmicroRNAを、各細胞株へLipofectamine RNAiMAX(Invitrogen社)を用いて遺伝子導入後、in vitro細胞増殖状態をMTT法で数値化し評価したところ、口腔癌細胞株NA、SAS、SKN3以外の細胞株でも強い細胞増殖抑制活性を認めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、microRNAを用いた口腔癌治療の開発を目的に、microRNAの細胞増殖抑制活性機能に注目した網羅的スクリーニングを行い、口腔癌の細胞増殖を抑制 するmicroRNAを候補として選出する。そしてこれらが口腔癌の細胞増殖活性に与える影響を解析し、臨床応用を目指す。 分化を誘導した正常粘膜由来不死化細胞RT7および口腔癌細胞株を用いてRNAレベルで癌細胞において特異的に発現が低下している2種類のmicroRNA-Xと microRNA-Y (laboratory name)を選出した。 選出したmicroRNAの細胞増殖抑制活性における分子機序の総合的解析を行う。選出した癌抑制遺伝子型microRNAに対する標的分子に関しては、microRNAの標的遺伝子は複数存在するため、標的遺伝子を予測するTargetScanなどのWebサイトの情報を利用して絞り込みを行った。その結果、標的遺伝子候補をmicroRNA-Xでは2つ、microRNA-Yでは1つに絞り込んだ。microRNA-Xの標的候補遺伝子のうち一つはがん抑制遺伝として報告されており候補から除外した。 その後体調不良で実験が一時中断するも、改善したため、実験を継続して行く。
|
今後の研究の推進方策 |
選出したmicroRNA-XとmicroRNA-Yの各標的遺伝子候補に対し、ウエスタンブロットを行い、蛋白レベルでの発現変化を解析する。最終的に標的遺伝子の同定をルシフェラーゼアッセイにて行う。また、同定した標的分子についても、発現解析やDNAメチル化解析、in vitro機能解析などを組み合わせた統合的解析を行い、癌細胞増殖抑制に関与する分子機序を詳細に解明する。
|