研究課題
基盤研究(C)
成人ステロイド性骨粗しょう症の予防と治療法は確立しつつあるが,小児においては有効性と安全性が確立された治療法はなく,効果が骨に限局し,かつ成長を阻害しない治療法が切望されている.BMP3はBMP2などの骨形成BMPとは異なり骨量を負に制御する.出生後は骨芽細胞と骨細胞のみにBMP3が発現するため,成長には影響なく,BMP3のノックアウトで骨量が増加する.そこで本研究では,われわれが確立した小児ステロイド性骨粗しょう症モデルを使用し,ステロイドが誘導する四肢ならびに頭蓋顎顔面骨の成長阻害や骨粗しょう症におけるBMP3の役割を組織学的,分子生物学的解析により検討する.
ステロイド製剤は原疾患の治療に有効である一方,骨の成長障害や骨粗しょう症などの副作用が重大な問題となる. 成人ステロイド性骨粗しょう症の予防と治療法は確立しつつあるが,小児においては有効性と安全性が確立された治療法はなく,効果が骨に限局し,かつ成長を阻害しない治療法が切望されている.BMP3はBMP2などの骨形成BMPとは異なり骨量を負に制御する.BMP3ノックアウトマウスの大きな特徴として骨以外に表現型を示さないことにある.つまり,BMP3は骨だけに作用し,さらに細胞外で作用するサイトカインであることから,骨粗しょう症などの骨代謝疾患に対する創薬のターゲットに適する可能性がある.そこで,骨芽細胞に対するBMP3の作用を検討するためにマウス前骨芽細胞株MC3T3-E1細胞を用いて実験を行った.CCK-8アッセイで評価したところ,マウスBMP3cDNAの過剰発現は細胞増殖に影響を与えなかった.一方で,BMP3の発現はBMP2やBMP4で誘導したALP活性やOsx,Osteocalcinなどの骨芽細胞分化マーカーのmRNA量を減少させた.すなわち、BMP3はMC3T3-E1の骨芽細胞分化を抑制することがわかった.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (2件)
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