研究課題/領域番号 |
21K10168
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
左合 美紗 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (40815825)
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研究分担者 |
森井 葵 九州歯科大学, 歯学部, 医員 (20882046)
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40316154)
川元 龍夫 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50323704)
黒石 加代子 (中尾加代子) 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60468303)
水原 正博 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60845402)
郡司掛 香織 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (90448811)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歯科矯正 / 疼痛 / Piezoチャネル / Piezo |
研究開始時の研究の概要 |
矯正治療中の患者の大半が歯の移動による疼痛を感じ早急に解決するべき問題であるが、その詳細なメカニズムは明らかではない。これまで多くの実験的歯の移動モデルを用いた研究が報告されているが、歯周組織で生じる様々な変化がすべて矯正力という機械刺激に起因するにも関わらず、歯周組織においてどのような経路を介して機械刺激が受容され疼痛発症に寄与しているかは不明である。侵害受容に関与するPiezoチャネルは機械感受性を持つことが知られている。本研究では実験的歯の移動モデルを用い、行動的、免疫組織化学的手法およびin vitro実験を行うことでPiezoチャネルを介した歯の移動に伴う疼痛発症機序を解明する。
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研究実績の概要 |
歯科矯正治療中の患者の大半が歯の移動による疼痛を感じており、疼痛により治療を断念する患者も存在する。治療による疼痛は早急に解決するべき問題であるが、その詳細なメカニズムは明らかではない。治療時に歯周組織で生じる様々な変化がすべて矯正力という機械刺激に起因するにも関わらず、歯周組織においてどのような経路を介して機械刺激が受容され疼痛発症に寄与しているかは不明である。歯根膜細胞は機械刺激によりATPを細胞外に放出し、歯科矯正時の疼痛と骨リモデリングへの関与が指摘されているが、機械受容分子は特定されていない。侵害受容に関わるとされるイオンチャネルの中で、Piezoチャネルは機械感受性を持つことが知られている。本研究では、Piezoチャネルの機能及び発現を調べることでPiezoチャネルを介した歯の移動に伴う疼痛発症機序を解明することを目的とする。 令和4年度は、2gの分銅を用い矯正力を想定したin vitro圧力負荷モデルを開発した。ヒト歯根膜線維芽細胞(HPdLF)への圧力負荷でPiezoが活性化しているか検証するため、圧力負荷実験と共に圧力負荷実験と同じ条件下でPiezo選択的アゴニストであるYoda1添加実験を行い結果を比較した。また両方の実験で機械受容チャネル及びATP放出経路の阻害によるATP放出量の変化を計測した。圧力負荷およびYoda1作用でATP放出は増加し、機械受容チャネルやATP放出阻害薬により抑制された。各阻害実験の結果が対応していることから、Yoda1添加と圧力付加によるATP放出経路は同様であり、圧力付加によるATP放出にはPiezo1チャネルが関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り新規で矯正力負荷システムの開発に成功し、in vitro実験系により、ヒト歯根膜線維芽細胞への機械刺激をPiezo1が受容していることが示唆された。これらのことから、実験の進捗はおおむね順調に進展している、と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は歯根膜線維芽細胞のPiezo1の機能を解明するためのshRNAによるPiezo1ノックダウン実験、細胞毒性を示すといわれる活性酸素種(ROS)の1つである過酸化水素を用いた細胞生存率の評価、圧力負荷実験後の活性酸素種の生産量の変化を測定する予定である。
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