研究課題/領域番号 |
21K10174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
永山 元彦 朝日大学, 歯学部, 教授 (50298436)
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研究分担者 |
落合 隆永 朝日大学, 歯学部, 准教授 (20410417)
江原 道子 朝日大学, 歯学部, 講師 (10425308)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 軟骨内骨化 / Wntシグナル / ヘッジホッグシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
骨の成長には軟骨から骨に変化する軟骨内骨化と、直接骨を形成する膜性骨化に大きく別れる。顔面の成長は上顎骨と下顎骨の前方への成長により行われるが、下顎骨の成長では関節頭の関節軟骨における軟骨内骨化と膜性骨化が関与し、上顎骨の成長でも膜性骨化だけでなく、その付近に存在する蝶形骨や篩骨、後頭骨の間の軟骨内骨化が深く関係することが知られている。このような顔面の発育に関係する軟骨内骨化について、自然発症型の軟骨内骨化遅延(Cartilage Calcification Insufficient, CCI)ラットを対象にその原因遺伝子や軟骨内骨化に異常をきたすシグナルについて解析する。
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研究実績の概要 |
常染色体劣(潜)性遺伝形式でくる病/骨軟化症に類似した軟骨の形態的異常を示す自然発症型の軟骨石 灰化不全(cartilage calcification insufficient, CCI)を示すCCIラットの変異遺伝子および ヒトにおける発育異常の対応を課題として、CCIラットの頭蓋底や下顎頭における軟骨内骨化と成長の遅延で、イン ディアンヘッジホッグ (IHH)シグナルの転写因子Gli1mRNAの過剰発現と 軟骨細胞の増殖や分化が抑制される可能性を報告してきた。 これまでの検索結果から、CCI ラットの発症原因や機序について、Ihh 等のレセプタ ー的働きの要素が考えられた。軟骨基質形成のアグリカン合成過程異常 の結果 (Tanaka M. Exp Anim Tokyo, 2015, Shibata S. Anat Sci Int., 2020)から、ヒト骨軟骨系疾患にみられる発育異常に対応していることが考えられる。 また、バイオインフォマティクスによる分子間相互作用ネットワーク(代謝、シグナル伝達、 遺伝情報等)の二項関係に基づいた情報から、MEPE, DMP1, MMP8, FCNB, PHEX等で発現低下とWnt, MAPKのpathwayで低下を示した。 そこで、これら分子のタンパク発現と遺伝子発現について分子生物学的に検索するため、 採取したCCIラットとWTラットの膝関節軟骨、頭蓋底軟骨結合部、お よび顎関節頭軟骨のパラフィン組織標本を作製し、cDNAの抽出を行った。現在、組織標本から抽出したcDNAから次世代シークエンスによる解析へと進めている。しかしながら、遺伝子保存状態を含む精度を調査したところ、固定後の標本からDNAやRNAの断片化が明らかになっていることが判明し、室温保存から冷蔵保存に移行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在、組織標本から抽出したcDNAから次世代シークエンスによる解析へと進めているが、コロナ禍での機材や試料の入手が大幅に遅くなっているものや機器の整備不良が重なる等、多様な問題が発生していた。また、学内における教務業務も慌ただしく変わる時期で、研究との両立が困難な中で実施している状況から大幅に遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次世代シークエンス解析を踏まえた試料作成は整っているので、解析から結果、考察をすることとしたい。
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