研究課題/領域番号 |
21K10177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高崎 千尋 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (60451449)
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研究分担者 |
吉原 俊博 北海道大学, 歯学研究院, 特任准教授 (60261319)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 体性感覚 / グルタミン酸受容体 / バレル |
研究開始時の研究の概要 |
グルタミン酸受容体GluD1は自閉スペクトラム症などの精神神経疾患と強く関連する分子の一つであるが、大脳領域でこの分子の発現と機能の全容は未だ明らかにされていない。今回、口腔領域の体性感覚系の解析モデルであるバレルの発達に着目し、グルタミン酸受容体GluD1を欠損させたマウスを用いてバレル臨界期時間特性や可塑性を解析することや、大脳皮質体性感覚野でのGluD1の発現を解析することで、自閉スペクトラム症児の感覚異常の一因を解明する。
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研究実績の概要 |
グルタミン酸受容体GluD1はシナプス接着分子の一つとして機能し、自閉スペクトラム症や気分障害などの精神神経疾患と関連する遺伝子の一つである。この分子は高次脳領域に発現するが、大脳皮質一次体性感覚野での機能の全容は不明である。本研究では、口腔領域の体性感覚野の解析モデルであるバレルに着目し、バレル領域でのGluD1の発現や機能を明らかにすることを目的としている。令和5年度は、大脳皮質一次体性感覚野バレル領域でのGluD1タンパク質の局在について免疫組織学的手法を用いて検証を行った。GluD1タンパク質は大脳皮質一次体性感覚野の全層に局在し、特に第Ⅳ層のバレル領域において豊富に局在していた。タンパク質レベルでGluD1はVGluT2陽性グルタミン酸作動性ニューロンとの興奮性シナプス近傍に豊富に局在していた。またGluD1はGABAAg2陽性抑制性シナプス近傍には一部局在していた。GluD1が興奮性シナプス近傍あるいは抑制性シナプス近傍のいずれに豊富に局在するかを調べるために、それぞれの蛍光強度をMetaMorphソフトウェアにて解析した。また両者の間の統計学的有意性はStudentのt検定を用いて検証した。その結果、GluD1は抑制性シナプス近傍よりも興奮性シナプス近傍に局在する割合が高いことが判明した。よって、GluD1は抑制性シナプスよりも興奮性シナプス近傍でシナプス接着分子として機能することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度に予定していたバレル領域でのGluD1タンパク質局在の解析が終了した。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は大脳皮質一次体性感覚野バレル領域でのGluD1 mRNA発現を検証する。GluD1がmRNAレベルで興奮性ニューロンと抑制性ニューロンのどちらに発現するのかを明らかにする。また、これまでの研究成果を論文として報告する。
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