研究課題/領域番号 |
21K10178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小川 紗衣香 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (60882397)
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研究分担者 |
溝口 到 東北大学, 歯学研究科, 教授 (20200032)
北浦 英樹 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (60295087)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 骨細胞 / TNF-α / RNAシークエンス |
研究開始時の研究の概要 |
骨細胞特異的に蛍光を発するC57BL/6-Tg(Dmp1-Topaz)1Ikal/Jマウスの頭蓋骨から、FACSを使用してほぼ100%純粋な骨細胞の単離を行う。この骨細胞にTNF-αを作用させ、TNF-αによる骨細胞への影響を遺伝子の発現をRNAシークエンスで網羅的に解明する。RNAシークエンス解析で得られた増加制御および減少制御された遺伝子の骨細胞での発現の確認を行う。TNF-αが骨細胞に影響し高発現した遺伝子のRANKL発現へ影響の解析を行う。
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研究実績の概要 |
近年、炎症性のサイトカインであるTNF-αで破骨細胞が誘導されることがわかってきた。関節リウマチや歯周病などの感染による病的骨吸収は、TNF-αが主に関与しているものだと考えられている。また、申請者らの研究で矯正学的歯の移動においてもTNF-αが発現し破骨細胞および骨形成に関与していることがわかっている。特にTNF-αが骨細胞を含む間質系細胞に作用することが重要だと見出している。一方、生理的な骨吸収に関しては骨細胞がRANKLを発現し、破骨細胞形成を誘導していることが新しくわかった。また、我々の研究でTNF-αが骨細胞に作用し、RANKLの発現を増強し、破骨細胞形成を誘導することを見出している。本研究では、TNF-αが骨細胞に作用することでどのような因子が増加し、あるいは減少しているか網羅的に解析することで、さらにTNF-αが骨細胞にどのような影響をあたえているのかそのメカニズムを解明することを目的とする。DMP1プロモーターの下流にGFPの異型のTopazを骨細胞が発現し、蛍光する5-6日齢のDMP1-Topaz(C57BL/6-Tg(Dmp1-Topaz)1lkal/J)マウスの頭蓋骨にコラゲナーゼおよびEDTAを用いて段階的な酵素処理を行い、得られたFraction2-5を回収した。10%FBSを含むαMEM培地で24時間培養後、付着細胞のみを回収し、cell sorter (FACS AriaⅢ)により初代骨細胞としてTopaz陽性骨細胞の単離を行った。この骨細胞にTNF-αを加え培養したものおよび加えずに培養したものからtotalRNAを回収した。それぞれTotalRNAをRNAシークエンス行った。結果、TNF-αで刺激したものでは破骨細胞形成関連遺伝子等の発現が増加した。その中の一つであるケモカインであるCXCL10に着目しリアルタイムPCRで発現を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨細胞にTNF-αを加え培養したものおよび加えずに培養したものからtotalRNAを回収した。それぞれTotalRNAをRNAシークエンス行った。結果、TNF-αで刺激したものでは破骨細胞形成関連遺伝子等の発現が増加している。このことから、破骨細胞形成に関与していると思われる遺伝子に関しての発現解析が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
骨細胞をTNF-αで刺激したもので、RNAシークエンス解析を行なったところ破骨細胞形成関連遺伝子等の発現が増加した。その中の一つであるケモカインであるCXCL10に着目しリアルタイムPCRで発現を確認した。次にウエスタンブロティングによるタンパク質発現の確認を行う。CXCL10はケモカインであり、破骨細胞前駆細胞に対して走化性の実験等を行なっていく。
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