研究課題/領域番号 |
21K10184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
野村 良太 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (90437385)
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研究分担者 |
仲野 和彦 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00379083)
鋸屋 侑布子 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (40803078)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ菌 / 口腔マイクロバイオーム / 唾液検体 / Nested PCR / 次世代シークエンサー / バイオインフォマティクス解析 / パーキンソン病 / 抜去歯 / 埋伏智歯 / 免疫性血小板減少性紫斑病 / nested PCR法 / 智歯 / 口腔検体 / 口腔細菌叢 / 消化器疾患 / ヘリコバクターピロリ / 口腔レンサ球菌 / デンタルプラーク / バイオフィルム / う蝕 |
研究開始時の研究の概要 |
小児のデンタルプラークサンプルからピロリ菌および主要な口腔レンサ球菌種を検出し、ピロリ菌の定着に関連する可能性のある菌種を特定する。また、口腔レンサ球菌種が形成したバイオフィルムへのピロリ菌の侵入能を評価することに加え、口腔由来の培養細胞にピロリ菌と口腔レンサ球菌種を共感染させてピロリ菌の定着の機序を明らかにする。さらに、ラットの口腔レンサ球菌を減少させることが、ピロリ菌定着の抑制手段として有効であるか分析する。
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研究実績の概要 |
ヘリコバクター・ピロリ菌は小児期に口腔を介して感染するが、口腔マイクロバイオームとの関係性は解明されていない。本研究では、口腔内のピロリ菌の有無に着目して、小児および成人の口腔マイクロバイオームの包括的な分析を行った。成人41人と小児21人の唾液検体から細菌DNAを抽出し、Nested PCRを用いてピロリを検出するとともに、次世代シークエンサーを用いてマイクロバイオームの解析を行った。バイオインフォマティクス解析の結果、Faithの系統的多様性分析では、ピロリ菌陰性の成人検体と小児検体の間にα多様性で有意差を認めた(P < 0.05)。また、ピロリ菌陽性と陰性の小児検体の間には、β多様性が有意差を認めた(P< 0.05)。属レベルでの分類学的分析から、ポルフィロモナス属は、ピロリ菌陽性の成人と小児の両方において、陰性の場合よりも有意に多く存在した(P< 0.05)。 パーキンソン病の患者ではピロリ感染の有病率が高いことが報告されていことから、パーキンソン病の患者の口腔におけるピロリ菌の定着について分析を行った。パーキンソン病に罹患していない被験者186名とパーキンソン病の患者13名から唾液を採取し、Nested PCRを用いてピロリ菌を検出した。パーキンソン病の患者の重症度は、パーキンソン病統一スケール(UPDRS)に基づいて評価した。その結果、パーキンソン病の患者から採取した唾液中のピロリ菌の検出率は、対照群における検出率よりも有意に高かった(P<0.01)。さらに、ピロリ菌陽性のパーキンソン病患者の UPDRS スコアは、日常生活活動および運動検査の時点で、ピロリ菌陰性のパーキンソン病患者よりもそれぞれ有意に高かった(P<0.05)。
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