研究課題/領域番号 |
21K10194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
須田 直人 明海大学, 歯学部, 教授 (90302885)
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研究分担者 |
時岡 一幸 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (70332616)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 唇顎口蓋裂 / 骨髄移植 / 歯肉骨膜形成術 / 顎裂再建 / 生体材料 / 骨欠損形態 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
唇顎口蓋裂児において、顎裂が開存し切歯骨(中間顎)遠心端の連続性が得られていないと、上顎前歯の萌出障害や捻転、唇舌的や近遠心的な位置異常による転位や傾斜の原因となる。また、顎裂周囲や顎裂をまたいだ歯の移動が不可能となる。これらの不正の改善には、顎裂間に十分な唇舌幅と歯槽高を持った歯槽骨による骨架橋形成が必要となる。今日、歯槽形態の獲得による顎裂再建を目的とした歯槽歯肉骨膜形成術(GPP)と顎裂部二次骨移植術により、一定の手術成績は得られているものの、さらなる成績向上が求められている。
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研究成果の概要 |
唇顎口蓋裂児の顎裂閉鎖は、口唇閉鎖と口蓋閉鎖の後に、顎裂部二次骨移植術により行われる。歯肉骨膜形成術(GPP)は、乳幼児期に顎裂部を骨膜で覆い、顎裂間の歯槽に骨架橋形成を誘導する早期の顎裂閉鎖術である。GPP施行後の成績では、歯槽部に十分な骨架橋が得られなかった症例も経験したため、局所に患児の骨髄を移植した。 骨髄移植症例の骨架橋の最大唇舌幅と垂直高は、対照症例と比較して有意に大きかった。一方、骨髄移植症例と対照症例間で、非裂側の歯槽高と梨状孔下縁の垂直的位置の左右差に有意な差はなかった。GPP施行時の骨髄移植は、骨架橋の下端と舌側の骨架橋形成に有効と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
唇顎口蓋裂児の主要な問題点として、歯列・咬合の異常があげられる。そのため健常児と比較して、唇顎口蓋裂児の矯正治療では、顎裂に近接した歯の萌出不全、萌出方向の異常、狭窄歯列といった問題点の改善が必要となる。これらの改善にあたり多くの症例で、唇(頬)側と舌側の双方に固定式装置を装着し、長期にわたる治療が必要となる。 本研究の成果して、唇顎口蓋裂児において、GPP施行時の骨架橋量は骨髄移植を行うことで明らかな増加をみた。この結果は、今後、健常児と同程度の負担と治療期間で矯正治療を終了させうる可能性を示唆する。
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