研究課題/領域番号 |
21K10199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
和田 悟史 鶴見大学, 歯学部, 助教 (20581119)
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研究分担者 |
菅崎 弘幸 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (30333826)
友成 博 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70398288)
勝又 裕太 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (70886423)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ビスフォスフォネート / 顎骨壊死 / マクロファージ / 抗酸化酵素 / ビスフォスフォネート製剤 |
研究開始時の研究の概要 |
ビスフォスフォネート(BP)系薬剤関連顎骨壊死 (Bisphosphonate-Related Osteonecrosis of the Jaw, 「BRONJ」)の原因として、BPにより免疫系細胞の機能が低下し、口腔内局所の感染防御低下が示唆されている。本研究課題では、細胞培養実験でBPがマクロファージに与える影響を調べ、さらにNrf2活性化剤によりBPによるマクロファージの増殖、分化、細胞死への影響を検討する。また動物実験では、BRONJモデルマウスを用いてNrf2活性化剤による病態への影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
Nrf2の活性化を介してM2マクロファージを分化誘導させることによりBRONJ病態が寛容すると仮説をたて、Nrf2活性化によるマクロファージの分化状態の制御を介したBRONJ病態改善の検証を行った。 細胞培養実験では、マウスマクロファージ様細胞株RAW264.7細胞にNrf2活性化剤である5-アミノレブリン酸(ALA)およびリポポリサッカライド(LPS)を用いて、炎症反応時のM1およびM2マクロファージの分化マーカーの発現を解析した。RAW264.7細胞にLPSを添加した際、M1マーカーであるBatf2およびiNOSの発現が増加したが、ALA添加によりそれらの発現が減少した。同様にM2マーカーを検討したところ、ALA添加によりCD206発現の増加が認められた。以上細胞培養実験より、Nrf2活性化剤によりM2マクロファージへ分化誘導される可能性が示唆された。 動物実験では、Zoledronate、DexamethasoneおよびDocetaxelの3薬剤をBALB/cマウスに3週間投与後、上顎第一臼歯を抜去し、さらに3薬剤を3週間投与後の抜歯窩周囲の観察を行った。BRONJモデルマウスでは抜歯窩領域に治癒不全が認められたが、Nrf2活性化剤であるジメチルフマル酸(DMF)の投与により病態の寛容が認められた。そこでパラフィン切片を作製し、H.E.染色を行い抜歯窩周囲の観察を行ったところ、薬剤投与群では抜歯窩周囲の骨小腔内の骨細胞が消失していたが、DMF添加群では骨細胞が認められた。以上よりNrf2活性化剤によりBRONJの病態改善の可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験においてデータのばらつきがみられるため、Zoledronate、DexamethasoneおよびDocetaxelの3薬剤の薬剤濃度等の条件を再度検討している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、M1およびM2マクロファージ分化マーカーの免疫組織染色を行い、Nrf2活性化剤投与によるBRONJモデルマウスの抜歯窩のマクロファージ分布状態の観察を行う。得られた研究成果は、関連学会における発表と学術雑誌への論文投稿を通して発信する予定である。
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