研究課題/領域番号 |
21K10200
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大島 昇平 北海道大学, 大学病院, 講師 (00374546)
|
研究分担者 |
吉原 俊博 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (60261319)
高井 理人 北海道大学, 歯学研究院, 専門研究員 (80825513)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 重度心身障害者 / 自律神経活動 / ストレス / 障害者 / 歯科治療 / 障害児・者 / 歯科診療 |
研究開始時の研究の概要 |
歯科治療はストレスがかかります。コミュニケーションが困難な重度の障害のある患者さんでは、歯科治療時のストレスを適切に評価する事が難しく、歯科治療をどのようにすすめていったらよいのか、迷うことがしばしばあります。本研究では実際の歯科治療の時に心拍数の変動や、緊張時の手汗、唾液の中のストレスに関連する物質を測定し、それらが、歯科治療時のリアルタイムのストレス評価に用いることができないかを検討します。そしてリアルタイムにストレスを評価にすることにより、安全・安心な歯科治療を提供できることを目的としています。
|
研究実績の概要 |
本研究は歯科治療時の生理的反応を測定し、歯科治療時のストレスを客観的に評価することを目的としている。前年度に引き続いて、重度心身障害者(被験者群)に加え、当大学病院の歯科臨床研修医(対照群)を対象に歯科治療中の生理的反応を測定した。生理的反応は心電図測定と皮膚電位活動(EDA)を測定項目とした。心拍変動解析は心電図から周波数解析を行い、HF、LF、LF/HFに分解し解析を行った。EDAは皮膚電位水準を測定し、変化が見られるものをSPL(+)として評価を行った。診療内容は歯ブラシによる清掃の後、超音波スケーラーにてスケーリング(歯石とり)を行った。 心拍変動解析では群内比較では、被験者群においてはLF、LF/HFについて安静時とスケーリング時に有意な変化が見られた。群間比較ではのうち、HFについては歯ブラシとスケーリングにおいて有意な違いが検出された。LFについては安静時において有意な違いが検出された。 皮膚電位活動では被験者群では歯ブラシとスケーリングにおいてSPL(+)群とSPL(-)群の間に人数の有意差が認められた。 被験者をSPL変動の有無により2群にわけた解析では歯ブラシ時にSPL(-)群がSPL(+)群に比べ、LFが優位に高い値を示した。スケーリング時ではSPL(+)群がSPL(-)群に比べ、LFが優位に高い値を示した。対照群をSPL変動の有無により2群にわけた解析ではハブラシ時にSPL(+)群がSPL(-)群に比べ、HFが優位に高い値を示した。スケーリング時にはSPL(-)群がSPL(+)群に比べ、LF、LF/HFが優位に高い値を示した。 心拍変動解析による皮膚電位活動の測定によって歯科診療中の重度心身障害者の自律神経活動の変化を検出することができたが、解釈に矛盾が生ずる結果も得られた。今後は対照群の設定、安静時の設定など、条件設定に再検討が必要とも思われた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ウエラブルセンサーでの測定が、障害ある方では予想以上に困難であった。そのため、ウエラブルセンサーによる、診療室以外の測定ができていない。また、新型コロナウイルス感染症の収束に予想以上に時間がかかっており、来院する患者さんが減少しており、また、訪問歯科診療も本来必要ではない測定者が帯同することが困難であった。そのため、データの取得に遅れがみられている。
|
今後の研究の推進方策 |
ウエラブルセンサーによる測定は最優先課題をして進めていく。ウエラブルセンサーは日々進歩しているので、障害ある方での測定しやすい条件をみつけていく。新型コロナウイルス感染症も5類移行となる予定で、研究の参加に同意してくださる患者の確保も今年度よりはスムーズにいくと考えている。新型コロナウイルス感染症の収束にこれほど時間がかかるとは当初は予想していなかったため、今後の研究の進捗状況によっては、研究期間の延長の検討も行う。
|