研究課題/領域番号 |
21K10201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹生 寛恵 北海道大学, 大学病院, 助教 (40609103)
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研究分担者 |
下地 伸司 北海道大学, 大学病院, 講師 (30431373)
阿部 貴惠 北海道大学, 大学病院, 助教 (00455677)
長谷 由理 北海道大学, 大学病院, 助教 (20626121)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | VR / ストレス緩和 / 歯科治療 / 自律神経活動 / ICT / 医療支援 |
研究開始時の研究の概要 |
安心・安全な歯科治療を行うには、治療時の全身状態の把握および精神的ストレスの緩和が重要であるが、その対策としてICTの利活用を考えた。VR/AR技術は、快適な仮想空間を作り出すことによるストレス緩和効果、同時に空間認識機能を有しデジタル情報との統合が可能なため、自律神経活動モニターシステムと連動させることで、治療時の効率化および詳細なデータを構築でき、これを活用することで最適な治療環境の提供が期待できる。 本研究は、ICTを歯科治療時に活用することで患者に安心・安全な歯科治療を提供するとともに医療者にも安全で効率的な診療支援を行うことで双方にとってストレスフリーな歯科治療の確立を目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、安心・安全な歯科治療を行うためにVirtual reality(VR、仮想現実)とAugmented Reality(AR、拡張現実)のテクノロジー技術を歯科治療時に患者と医療者それぞれに同時活用することによる双方へのストレス軽減効果について明らかすること、さらにこれまで研究代表者らが評価に用いてきた新規自律神経活動モニターシステムと連動させたICT化について検討することを目的としている。 本年度はまず、前年度までの研究で明らかとなったヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いたVRの活用方法の課題について検討、改良をすすめた。VRは人間の多様な知覚、主に視覚・聴覚に刺激を与え仮想体験させる技術であるが、HMDは重量感や着脱時のストレスが大きく、想定されていた没入感も少ない結果であった。そのため個人の嗜好に応じたより快適な仮想空間を提供する方法が必要と考え、その一つに嗅覚・触覚といったさらに他の知覚への同時刺激に着目、その影響について比較検討を行うこととした。具体的には、歯科学生を対象に低周波治療器によるストレス刺激を与えた際の映像、音楽、アロマテラピー、温庵法、呼吸法、それぞれの影響についてVAS(質問票による不安状態評価)の調査および種々の生体情報(主要評価項目として自律神経活動、副次評価項目として血圧、心拍数、唾液アミラーゼ)を収集し比較検討を行った。結果は、すべての知覚刺激についてストレス軽減への有用性が認められたもののその効果については被験者の好みによって異なるため、患者に応じた適切な方法の選択が望ましいとが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はまずヘッドマウントディスプレイ(HMD)によりVR環境を提供する上で課題となった様々な問題点を検討するのに時間を要したが、健全な若年成人ボランティアを対象としてストレス状況下における視覚・聴覚・嗅覚・触覚など多様な知覚刺激の影響について評価できたことは順調であった。一方、術者サイドにおけるAR応用の評価が遅れている。また研究分担者の変更が生じたため、役割分担等の調整が必要になったことでも若干の遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、歯科治療の簡便なストレス軽減法として患者へのVR技術を応用するためにより適したデバイスの使用や快適な仮想空間の提供方法についてストレス条件下での様々な知覚刺激の影響について検討し改善を図った。次年度はこれらのシステムを実際の歯科治療中に応用した際の効果について検討をすすめていく予定である。また、術者サイドにおけるAR環境についても整備中である。
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