研究課題/領域番号 |
21K10214
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
於保 孝彦 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (50160940)
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研究分担者 |
長田 恵美 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (00304816)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | カンジダ菌 / 口腔粘膜炎 / DMBT1 |
研究開始時の研究の概要 |
Candida albicansは、口腔カンジダ症や義歯性口内炎等の口腔粘膜炎を引き起こすことが知られている。この感染症を予防するためには、同菌の口腔内定着・増殖を早期に阻害することが重要である。カンジダ菌は口腔内において口腔レンサ球菌を主とした多種類の細菌と共存しながらその病原性を発揮しているが、唾液の作用については未だ明らかにされていない。先天性免疫因子DMBT1は唾液成分の一つで、様々な口腔レンサ球菌と相互作用をすることが知られている。そこでC. albicansによる口腔粘膜炎の発症を、共存するレンサ球菌の作用、および両者に影響を与えるDMBT1の作用を含めて総合的に評価することとした。
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研究実績の概要 |
Candida albicansによる口腔粘膜炎の発症におけるDMBT1の関与を調べた。1.C. albicans はDMBT1に結合し、Caイオンはその結合を促進した。また、菌体は、DMBT1を構成するペプチド(SRCRP1-7およびSID22)のうち、SRCRP2へもっとも強く結合することが認められた。 2.菌体表層およびDMBT1の構成糖のうち、マンノースとシアル酸が両者の結合に関与することが認められた。 3.C. albicans菌体表層成分から菌体とSRCRP2との反応に関わる成分を分離精製したところ、25 kDaのタンパク質が得られた。このタンパク質に対する抗血清を作成後、免疫染色およびcell ELISAにより、このタンパク質は菌体表層に局在することが確認された。 4.分離精製に成功した25 kDaアドヘジンは、菌体のSRCRP2への結合を完全には抑制しなかったことから、他のアドヘジンが存在する可能性が残った。そこで、さらに菌体成分の分離精製を進めたところ、29 kDaのタンパク質が結合に関与することが認められた。N末端アミノ酸分析により、この成分はphosphoglycerate mutaseであることが判明し、菌体表層に局在することも確認された。 5.C. albicansと口腔レンサ球菌との相互作用を調べたが、共凝集は生じなかった。また、DMBT1はStreptococcus mutansの凝集を誘導したが、C. albicansの凝集は誘導しなかった。さらにC. albicansとS. mutansの混合液にDMBT1を加えても、共凝集は誘導されなかった。 以上の結果から、C. albicansは菌体表層に存在する25 kDaのアドヘジンやphosphoglycerate mutase等を介してDMBT1へ結合し、口腔粘膜表面に定着することが示唆された。
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