研究課題/領域番号 |
21K10216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
秋房 住郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40295861)
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研究分担者 |
泉 繭依 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (40589181)
園木 一男 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50316155)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 分枝鎖アミノ酸 / 歯周疾患 / 糖代謝 / 歯周病 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病が糖尿病を増悪する機序として、歯周病原性細菌由来のBCAAが関与している可能性について、疫学的に解明することを目的とする。また、血漿BCAAの上昇はうつ病と関連することが知られており、歯周病とうつ状態との関連にBCAAが関与しているか併せて検討する。令和3、4年度は企業健診受診者700名を対象にデータを収集し、令和5~7年度に追跡調査を行い、ベースラインの血漿中ないしは歯周溝浸出液のBCAA濃度および歯周病原性細菌量と将来の糖尿病の指標との関連を調査する。
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研究実績の概要 |
分枝鎖アミノ酸(BCAA)の血漿濃度は糖代謝異常の予測因子であり、血漿BCAA濃度が高いと糖尿病罹患のリスクが高まることが知られている。腸内細菌の一部が血漿BCAA濃度を上昇させることはヒトおよびラットで確認されている。近年の動物実験の結果、歯周病が血漿BCAA濃度を上昇させ、このことに歯周病原性細菌が関連していることが示されたことから、本研究では、歯周組織の状態と血漿BCAA濃度の関連を検証するため疫学研究を実施した。 福岡県内の介護施設職員のうち40歳以上の者を対象に調査を行った。糖尿病の者および糖尿病の治療を受けている者は除外した。体格指数、空腹時血糖値、HbA1c率、血漿中の総コレステロール、HDLコレステロール濃度、LDLコレステロール濃度、中性脂肪濃度、およびBCAA濃度を測定した。また、唾液中の微小出血(SOB)はペリオスクリーンを用いて、口腔内診査(歯周ポケット深さ、プロービング時の出血、咬合状態、歯数、う蝕経験歯数)の前に測定した。統計解析にあたって、SOBの有無で2群に分けた。 統計解析の対象者数は64名(男性20名、女性44名)で、対象者の年齢中央値は55 (41-78) 歳であった。SOBあり群の血漿BCAA濃度[477 (400-658) μmol/L]は、SOBなし群の血漿BCAA濃度[432 (307-665) μmol/L]に比べて有意に高かった (p = 0.034) 。血漿BCAA濃度はHbA1c率と正の相関が認められた。線形回帰分析を行ったところ、性別、年齢、BMIで調整したモデルで、SOBの有無と血漿BCAA濃度は有意な相関を示した (β = 0.17, p = 0.02) 。 40歳以上の成人において、SOB の有無と血漿BCAA濃度の間に正の相関が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画におけるベースライン調査が終わり,そのデータをcross-sectional 研究として解析して国際誌にその成果を公表することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
ベースライン調査の対象者の糖代謝に関する追跡調査を行う予定である。 当該データの取得については,調査対象者の所属する会社(さわやか倶楽部)との合意がなされていることから,追跡研究の実施に大きな問題はないと考える。 追跡中の対象者数が想定していた人数程度は集まっているが,追跡するにあたり,対象者を増やす必要が出てくる可能性も視野に入れて,対象者数を増やすか,今後検討する。
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