研究課題/領域番号 |
21K10228
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
福井 誠 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (50325289)
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研究分担者 |
坂本 治美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 講師 (10805253)
日野出 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (70189801)
吉岡 昌美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90243708)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 舌苔 / 揮発性硫黄化合物 / 高齢者 / 肺炎 / タンパク質分解酵素 / 細菌叢 / 口臭 / 唾液 / IgA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では高齢者の口臭や誤嚥性肺炎の予防を目的として、化学的舌清掃による効果的な舌苔除去並びに漢方薬口腔乾燥予防の両面から口腔環境を改善する新たな口腔ケアケアシステムを構築することを目的とする。まず、少数の健常者を対象にした介入研究で舌苔および口腔内の構成細菌の変化と口臭削減効果を検証する。また、漢方薬使用による唾液分泌促進効果と唾液中免疫物質である分泌型IgA産生への影響を検証する。さらに、要介護高齢者ならびに高齢入院患者を対象に介入を行い、効果を検証する。
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研究実績の概要 |
2022年度には今後の研究遂行に必要なデータとして、舌苔付着状況と口腔内揮発性硫黄化合物(VSC)濃度との関連について及び高齢者の口腔環境と肺炎に関する調査を行った。舌苔付着状況と口腔内揮発性硫黄化合物濃度との関連について、徳島大学病院口臭外来受診者162名を対象に調査を行った。ガスクロマトグラフィー検査による揮発性硫黄化合物濃度の測定を行い、性別、年齢、日常の口腔清掃習慣および喫煙習慣を調べ、舌苔沈着状況はWinkle Tongue Coating Index (WTCI) にて数値化し、歯周状態または口腔清掃状態を加えて口臭と口腔環境との関連性について統計学的に分析した結果VSCの発生には、舌苔沈着が関与しており、口臭の予防のために舌苔沈着を低減させる必要性が示唆された。高齢者の口腔環境と肺炎に関する調査について、徳島市で実施された平成27年度から令和3年度までの6年間で後期高齢者歯科健診プログラムに参加した75歳以上の徳島市住民のうち、92歳以上または生活保護等を除く667名を対象に調査を行った。年齢、性別、BMI、現在療養中の疾病の有無、義歯の使用状況、半年前に比べて固いものが食べにくくなったかどうか、食事中のむせ、口の渇きの有無、年に1回以上の歯科健診の受診の有無、口腔内状況及び舌苔の付着状況についてと肺炎発症の有無との関連について分析を行った結果、口の渇きが、高齢者の肺炎発症の予測因子となりうる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度には2021年度の研究実績の論文投稿を行い、掲載がなされた。また、舌苔と口臭発生との関連、高齢者の肺炎発症と口の渇きとの関連についての調査の結果、本研究の重要性を再認識することができた。反面、分担研究者の所属変更やそれに伴う研究代表者の業務増加があり、そちらに時間を割かれるという事情もあり、漢方薬摂取に関する研究の整備が遅れている。2023年度の研究予定を早急に実施できる体制を整え、早急に倫理申請と漢方薬摂取に関する研究の整備を行い、健常者を対象とした漢方薬摂取による唾液分泌量並びに分泌型IgA濃度変化を測定する。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度では舌苔と口臭発生との関連および高齢者の肺炎と口喝に関する調査を行い、高齢者の唾液分泌促進が口臭と肺炎の予防において重要であることが示された。今後の研究における漢方薬摂取による介入研究を進行するため、早急に倫理申請と漢方薬摂取に関する研究の整備を行い、まずは健常者を対象とした漢方薬摂取による唾液分泌量並びに分泌型IgA濃度変化を測定する。併せて高齢者の介入研究の遂行について検討と被験者の勧誘を開始し、今後の研究の円滑な遂行を目指す。
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