研究課題/領域番号 |
21K10234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
溝口 尚子 明海大学, 歯学部, 講師 (00548919)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 嗜好 / 風味 / 味覚 / 嗅覚 / 光学計測 |
研究開始時の研究の概要 |
摂食嚥下障害は、誤嚥性肺炎の重要なリスク因子である。一方、この障害は世界的に増加しているうっ血性心不全の急性憎悪因子としても注目されている。このように多方面から、摂食嚥下障害への理解と、根拠に基づいた対応方法の充実が期待される。 我々は摂食嚥下リハビリテーションに貢献することを念頭において、食に関する“満足感”の源は「おいしさ(風味)を感じること」と位置づけ、風味認識に関わる中枢神経機構の解明に取り組んできた。本研究では,風味学習と脳活動の記録を組み合わせて食に関連する化学感覚の情報処理について解析し、ニオイを効率的に臨床応用するための根拠を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は,摂食機能障害へのリハビリテーションに活かすことを念頭に,飲食物の「風味」を知覚・認識するメカニズムを明らかにすることを目的とした。標準飼料と比べて摂取量の多い食品を選出し嗜好餌とみなした。嗜好餌を経験させたマウスに,嗜好餌と餌以外のニオイを呈示したときの大脳皮質応答をフラビン蛋白蛍光強度の変化として計測し比較した。鼻腔もしくは口腔から呈示を試みた結果,応答領域のピーク到達時間は総じて鼻腔から呈示をした時の方が早く,食品のニオイは呈示方法によって一部領域でピーク到達順序が異なるという知見を得た。ほかに後梨状皮質において,食品のニオイか否かで情報処理が異なることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「誤嚥性肺炎」は人口動態統計上,日本人の死因のうち第5位の肺炎に次ぐ第6位となっている。そして高齢者の肺炎は,とくに70歳以上では70%以上,90歳以上では約95%といったように誤嚥性肺炎が占める割合が高い。また,誤嚥性肺炎の主なリスク因子には摂食嚥下障害が挙げられる。そのため,すでに超高齢社会である日本では,誤嚥性肺炎および摂食嚥下障害について理解を深めるとともに,根拠に基づいた予防法や医療介護を含めた対応方法の充実が期待される。本研究で得られた成果は,その中でも風味認識に関わる香りの活用に応用できると考えられる。
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