研究課題/領域番号 |
21K10239
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
田中 とも子 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (70307958)
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研究分担者 |
八重垣 健 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468)
堀江 哲郎 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10508675)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | バイオフィルム / Red Complex / 歯周病 / replacement therapy |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病原性菌は強いタンパク分解能を有し、ウイルスの宿主定着に必要なウイルス表面の赤血球凝集素を切断することから、歯周病原性菌はウイルス感染を促進すると考えられる。また、口腔疾患はバイオフィルムの変化が原因となる。 そこで、病原性のある口腔常在菌をバイオフィルム形成抑制する細菌や、抗菌作用を示す細菌に置き換えるreplacement therapyを本研究は、嫌気性人工口腔装置で試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は口腔常在菌のreplaceによるバイオフィルム形成抑制効果について検討し、口腔バイオフィルムの健全化による歯周病予防ツール開発を最終目的とする。本年度は歯周病原細菌4菌種を用いて、歯根上へのバイオフィルム形成を試みた。さらに、人工バイオフィルムの経時的変化を確認した。 使用菌株はPorphyromonas gingivalis (P. g) ATCC33277、Tannerella forsythia (T. f) ATCC43037、Treponema denticola (T. d) ATCC35405、Fusobacterium nucleatum(F. n)ATCC 25586、Streptococcus gordonii (S. g) ATCC10558である。バイオフィルム形成には、0.1% N-acetylmuramic acid添加TYGVS 培地を用い、昨年度と同様の方法でヒト歯・歯根の切片上に行った。 はじめにODを1.0に調整したS.g懸濁液を、被験切片が設置された容器内に満たし、24時間培養した。次いで懸濁液を除去し、各ODを1.0に調整したP. g、T. f、T. dとF. nの懸濁液を被験切片が設置された容器内に入れ、さらに嫌気条件下(90%N2、5%CO2)で24時間培養した。バイオフィルムの観察はSEMにて行った。また、菌叢解析はOD 0.5、1.5の各細菌懸濁液を用いた人工バイオフィルムについても試みた。 SEM観察の結果、5菌種すべてがセメント質上に付着し、バイオフィルム形成が確認された。菌叢解析から人工バイオフィルムの成熟度および細菌密度の違いによって、動態が異なることが明らかになった。人工バイオフィルムを用いたシミュレーションを行うにあたっては細菌密度の条件などさらなる検討が必要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度もコロナ禍により必要な実験材料が大幅に遅延して納品されたことや研究時間の短縮、研究場所の縮小などが余儀なくされ作業効率が悪くなったこと、当初の研究分担者が急逝し、研究分担者が変更になったことなどから研究が予定より遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、次のステップに用いる歯周病予防に効果があるとされるStreptococcus cristatus、Veillonella atypicaの培養法を確立し、2022年度研究計画に従い、候補菌のスクリーニングとして歯周病予防効果が期待される口腔常在菌をバイオフィルムに作用させる。さらにその効果のバイオフィルムに対する影響について評価する。
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