研究課題/領域番号 |
21K10260
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
本田 尚郁 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10840085)
|
研究分担者 |
松原 琢磨 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (00423137)
中道 敦子 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (20567341)
松尾 拡 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70238971)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 悪性黒色腫 / BMP / Netrin / Netrin-1 / メラノーマ |
研究開始時の研究の概要 |
これまでにNetrin-1がメラノーマ細胞の移動と浸潤を制御することが報告されているが,Netrin-1が使用する受容体や下流のシグナル伝達経路などには依然として不明な点が多い.NeogeninはNetrin-1の受容体であるとともに,メラノーマの増悪因子であるBMPシグナルの補助受容体でもあり,Netrin-1のメラノーマ悪性度増悪メカニズムに関与している可能性がある.そこで,本研究では培養メラノーマ細胞やモデルマウスを用いてメラノーマ細胞の移動や浸潤,さらには転移におけるNeogeninを介したNetrin-1とBMPシグナルのクロストークを解明する.
|
研究実績の概要 |
悪性黒色腫は皮膚や口腔を含む粘膜に発症する悪性腫瘍であり,早期より全身転移するため予後が悪い.Netrin-1は神経細胞の軸索を誘引する液性因子として同定され,多くの悪性腫瘍でNetrin-1の発現量が上昇し,さらにNetrin-1が腫瘍細胞の遊走・浸潤を促進することが報告されている.Netrin-1と受容体のDCCではメラノーマ細胞の挙動において相反した作用を持つが,そのメカニズムの解明は不十分であり,さらに他のNterin-1受容体,すなわちDSCAMやNeoを対象とした研究も進んでいなかった.そこで実験的にNetrin-1の過剰発現でBMPの補助受容体としても知られるNeoの発現が上昇し,またNtrin-1の過剰発現はBMPが誘導するId-1のレポーター活性を濃度依存性に亢進させた.さらに今年度は実験対象を若干拡大させて,Src シグナルの制御因子に着目してその悪性黒色腫の機能を解析した. Srcシグナルの調節因子plectin遺伝子が欠損したマウス悪性黒色腫細胞株B16細胞(PKO)を作製し,ヌードマウスにPKOを接種し2週間後形成された腫瘍を形態学・組織学的に解析した.するとPKO腫瘍細胞の密度は低く,H&E染色ではPKO腫瘍の細胞間隙は広く疎な像であった.同様にPKO細胞から形成されたスフェロイドでは凝集密度が低下し,PKOの細胞塊は機械的刺激によって容易に崩壊した.また,フィブロネクチンに対する接着能も低下した.さらに,PKOの細胞増殖能をWST-8法およびCell viability法で評価したところ,PKOは経時的な生細胞数の増加能が低下していた.Western botting法と免疫沈降法により解析すると,PKOではSrcシグナル活性が低下していた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を論文として発表することができたため.
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き,今年度のIn vitroの実験を中心に進めていく.
|