研究課題/領域番号 |
21K10266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
佐野 拓人 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (90880592)
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研究分担者 |
佐藤 拓一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10303132)
岡田 康男 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (40267266)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 口腔内細菌叢 / 16S rRNA / 新生児 / メタゲノム / 帝王切開 |
研究開始時の研究の概要 |
帝王切開にて出生した乳児は、口腔内細菌叢に構成異常(dysbiosis)が生じることが報告されている。新生児期に獲得する細菌叢は、児の免疫系や代謝系の発達に重大な影響を与える一因であると認識されている。帝王切開による分娩は、初産高齢化や医療技術の進歩等により先進諸国では増加傾向にあるが、分娩形式(自然分娩と帝王切開)が口腔内細菌叢形成過程へ与える影響の詳細は分かっていない。本研究の目的は、新生児の口腔内細菌叢の細菌種構成と細菌量の変動を経時的に解析し、新生児口腔dysbiosis発生過程、ひいては新生児期における正常な口腔内細菌叢形成とは何かを探究することである。
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研究実績の概要 |
本研究は分娩形式に関連した新生児口腔dysbiosisの発生プロセス及び、新生児の正常な口腔内細菌叢形成とは何かを明らかにするために、経時的に新生児口腔内細菌を質的(細菌叢構成)かつ量的(細菌量変動)に解析するものである。出生後3日から7日の新生児から滅菌スワブを用いて唾液を採取し試料とした。試料を緩衝液に懸濁し、ボルテックスで分散・均一化後、連続10倍希釈し、CDC血液寒天培地に接種し、好気および嫌気環境下で細菌培養を行った。培養により得られた細菌のコロニー数から新生児唾液中の細菌量(CFU/mL)を算出した。加えて、ヒト母乳には特有の細菌叢が存在していることが近年の研究で明らかになっており、新生児口腔内細菌叢形成過程にも影響を与えていることが推測される。このことから本研究では、新生児の口腔内擦過サンプルに加えて、滅菌搾乳器で搾乳した母乳も試料とし、母乳中の細菌の量的および質的解析も行っている。 結果として、新生児の口腔内擦過サンプルから得られた細菌量は、帝王切開児で平均(2.9 ± 2.7)×10の7乗 CFU/mL、自然分娩児では、平均(1.5 ± 3.2)×10の6乗 CFU/mLであった。母乳中の細菌量は、平均(1.4 ± 1.6) × 10の5乗 CFU/mLであった。現在、細菌叢構成を明らかにするため、細菌16S rRNA遺伝子の配列解析を、新たに構築したPCR-RFLP法を利用した口腔内細菌分類法を用いて行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新生児の口腔内細菌叢および母乳の細菌叢の解析がおおむね予定通りに進行しており、その成果の一部を論文として公表できたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に引き続き新生児口腔内細菌叢の経時的な解析を進め、新生児口腔dysbiosisがどのように生じていくかを、優勢を占める細菌の推移に着目して探求する。研究成果を学会にて公表し、客観的意見を取り入れてブラッシュアップしていく予定である。
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