研究課題/領域番号 |
21K10268
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
森田 一三 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (50301635)
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研究分担者 |
佐久間 重光 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80271386)
高見 精一郎 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助教 (60528058)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 口腔 / 歯 / 補綴物 / 人工知能 / ニューラルネットワーク / 深層学習 / 口腔画像 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、人工知能による1.口腔の外観を識別する能力の精度と限界、2.歯科補綴・充填治療に用いる素材を識別する能力の精度、3.歯面上の歯垢や着色などの付着物と歯質を識別する能力の精度を明らかにすることである。 これまでに口腔の実画像に対する人工知能の識別能力の研究は限られ、他分野に比べて技術の蓄積は極めて不充分な状況である。歯科保健・医療への人工知能の応用を推進するためには実画像識別能力を実用水準に引き上げる基礎技術が必要である。口腔の実画像において、より識別能力の高い深層学習の条件を明らかにすることをめざす研究である。
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研究実績の概要 |
人工知能による口腔の外観の識別精度の解明において、前歯部歯列画像に対する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の回転耐性の検討を進めた。具体的には入力層、畳み込み層とプーリング層および活性化関数からなる2層の中間層、2つの全結合層、出力層の構造のニューラルネットワークの基本モデルとした。畳み込み層の活性化関数はReLUを用いた。さらに、中間層の数を増加させた場合、活性化関数をTanhおよびLeakyReLU、PReLU、GELU、Swishに変えた場合の評価を行った。画像判別の評価では正転画像と反転画像のみの場合と、0度から180度まで5度刻みで回転させた場合の画像を用いて行った。その結果3層の中間層で活性化関数にReLUを用いたニューラルネットワークでは15度の回転までは90%以上の画像を正転画像と判別していたが、回転が進むにつれ、正転画像と判断する割合は減少し、85度の回転画像で2%まで低下した。110度まで正転画像と判別する割合は10%を下回り、さらに回転が進むと正転画像と判別する割合は26%まで増加するが、おおよそ20%を下回る結果を得た。 画像識別能力が比較的高いCNNにおいても前歯部歯列画像の回転時の識別精度低下は著しいことが示唆された。今後は回転させた画像を学習データに含めることによる、識別精度の変化を検討することで、前歯部歯列画像の回転時の識別精度を向上させる可能性を追求するなど新たな課題が示された。 人工知能による歯科医療材料の識別の研究については、臨床画像データの収集を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1.人工知能による口腔の外観の識別精度の解明については、機材の調達を行い高速な深層学習を実行する環境整備を行った。これにより、人工知能による口腔の外観の識別精度の研究を進めことができた。得られた結果については日本歯科医療管理学会学術大会へ演題登録を済ませ発表を予定している。 研究2.人工知能による歯科治療素材の識別精度の解明では、臨床画像データの収集を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
研究1.人工知能による口腔の外観の識別精度の解明については、回転した前歯部歯列画像についての判別精度を高めるためにデータ拡張を用いることの有効性の検討を行う。 研究2.人工知能による歯科治療素材の識別精度の解明については、収集された画像を用いて深層学習を進める。 研究3.人工知能による歯質と付着物の識別精度の解明について、試験的に歯垢の画像データの分析を進めることとする。
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