研究課題/領域番号 |
21K10274
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
川畑 秀伸 帯広畜産大学, その他部局等, 教授 (20325864)
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研究分担者 |
村上 学 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (30617436)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 初期臨床研修 / 外来診療 / 研修医教育 / インタビュー調査 / 探索的研究 / 臨床能力 / カリキュラム開発 / 医学教育 / プライマリ・ケア / 基本的診療能力 / 医師臨床研修制度 / 質的研究 / 地域医療 / 外来診療研修 |
研究開始時の研究の概要 |
2004年に始まった2年間の必修化初期臨床研修制度は、病棟研修が中心であった。本制度の目的であるプライマリ・ケアの基本的診療能力の習得には、患者がまず訪れる一般外来診療での研修は欠かせないため、2020年より一般外来診療研修が必修項目に加わった。現在、一般外来診療を研修医にいかに指導するかが課題となっている。 一般外来診療研修に実績のある施設の指導医と研修医を対象に半構造化インタビューを実施し、テーマ分析を用いて研究主題(研修医の外来診療を指導する方法と指導医の能力)を明らかにする。 この成果は、高齢化社会における医師の診療能力に関する人材育成のノウハウと医療職の能力について新知見をもたらす。
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研究成果の概要 |
2020年に必修となった研修医の一般外来診療研修を明らかにする目的で、医師13名に半構造化個別インタビューを行い、研修の方法、課題、指導能力を調べた。 その結果、研修方法は一連の診察を研修医が行い、指導医がフィードバックする形で、症例の難易度や研修医の能力に応じて診療の一部を指導医が行っていた。重症度把握、臨床推論、コミュニケーション、指導内容の絞込み、フィードバック、経験的知見と医学的根拠、患者中心の医療、社会人としての態度を重視していた。課題には研修医の意欲や指導者不足があった。医師は研修の基本理念と目標を達成すべく、自らの指導能力を教育、臨床、態度の視点からとらえ外来診療を指導していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般外来診療の研修方法と医師育成に関して、研修医教育に関わっている指導医と研修医の考えを明らかにした。 医師育成において医師が重視する3つの能力は、教育的態度(成人教育理論や指導方法を用いて、研修医の意欲を引き出しながら外来診療初学者にあった内容を効果的に指導する能力)、臨床能力(最新の医学的根拠と十分な経験に裏付けられた臨床能力)、人間性(良好な対人関係を築くことができ、職業意識と自らの医療観を認識して教育に反映させる能力)であることが分かった。 高齢・長寿化社会を支える本邦の医療は国内外で注目されており、その根幹となる人材育成や医師の能力に関するこれらの知見は社会的にも意義がある。
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