研究課題/領域番号 |
21K10286
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
尾関 理恵 順天堂大学, 医学部, 助教 (60801991)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 電子患者日誌 / 乳癌 / 分子標的薬 / 経口抗がん剤 / 副作用早期発見 / アカデミック・ディテーリング / 処方支援 / 臨床薬剤師 / 化学療法 / 副作用発現 / 患者報告アウトカム / セルフケア行動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では乳癌患者を対象とした電子患者日誌を開発し、服薬および副作用に対するセルフケアの向上を目的とする。 本研究で開発するシステムで入力した内容は、外来受診時に一覧として表示させることが可能であり、医療者側も正しい情報を効率よく収集できると考えられる独自のものである。外来受診時にはアカデミック・ディテーリングシステムを用いた薬剤比較を行い、最適な処方を提案する。臨床試験を実施し、実際の使用感と服薬アドヒアランス及びセルフケア向上に対する効果を検証する。
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研究実績の概要 |
乳癌領域において次々と新薬が開発され、内服の抗癌剤も増えてきている。乳癌のホルモン療法の場合、5年から10年の長期の服用が必要であり、早期の服薬中断は無再発生存期間の低下を認めるとの報告もあり、患者がいかに副作用症状をマネジメントしながら服薬を継続していくかは大きな課題である。本研究では、患者の自己管理能力向上による飲み忘れの防止について解明することを目的に、乳癌の電子患者日誌による服薬管理が飲み忘れ防止につながるという仮説の実証に向けて、服薬記録と日々の症状記録、受診時の記録の3つを兼ね備えた乳癌電子患者日誌(ピンクリボンダイアリー)を開発し、臨床試験を実施することとした。 本年度は主にピンクリボンダイアリーを用いた単施設での臨床試験を実施した。対象は再発・進行乳癌患者でCDK4/6阻害薬であるパルボシクリブ、アベマシクリブを服用中で、ピンクリボンダイアリーを使用でき同意を得た患者70名であり、ピンクリボンダイアリー使用群と通常ケア群の2群にランダム化割付を行った。ダイアリー使用群は3ヶ月間ダイアリーを使用し、両群とも外来受診の際にQOLと体調に関するアンケートを行った。2023年4月25日より登録を開始し、2024年3月1日に登録を終了した。主要評価項目はGlobal health status/QOL (EORTC QLQ-C30)の変化量とし、副次評価項目は、RDI(Relative Dose Intensity), EORTC QLQ-C30の他の指標、服薬アドヒアランス)等とした。現在も一部の患者で試験を継続中である。 乳癌診療の場では医師診察前の薬剤師問診を実施し、アドヒアランスの確認と副作用の発現状況について調査を行っている。薬物治療が必要な場合はアカデミック・ディテーリングによる薬剤比較を行い、医師への処方提案を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度乳癌電子患者日誌の開発と倫理審査承認後から実際の登録開始までに時間を要したが、登録を開始してからはスムーズに登録が進み、予定より早く登録を終了した。臨床試験計画については国際学会であるSan Antonio Breast Cancer Symposium 2023で報告することができた。試験終了次第、順次データクリーニングと解析を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
多職種の協力を得て、現在入力中のデータから順次データクリーニングを行い、早めのデータ固定を目指す。結果の公表についてはSan Antonio Breast Cancer Symposium 2024を目標とする。
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