研究課題/領域番号 |
21K10287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
中村 啓二郎 東邦大学, 医学部, 講師 (20366181)
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研究分担者 |
朱 欣 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授 (70448645)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心不全 / 予後因子 / 人工知能 / 深層学習 / 予後予測 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、高齢者心不全の症例が急増し、将来的な心不全患者の増加による医療費増大が社会的な問題として危惧されている。一方、深層学習を用いて心不全の予後予測を行う研究が注目されている。深層学習の特徴として、入力情報より低次の特徴量から高次の特徴量を自動的に抽出することができ、高い精度予後予測が可能であり、臨床研究への応用が期待されている。本研究は、心不全の臨床データを用いて深層学習(deep learning)による予後予測モデルの構築を行い、心不全増悪因子の同定や予後予測を行う。さらにDPCデータからの情報を利用して、心不全患者のQOLの改善や医療経済的な課題解決へのアプローチを行う。
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研究成果の概要 |
本研究において、心不全データベースから1273人の心不全患者を対象に、連合学習により構築した深層学習モデル、RNNSurv、DeepSurv、および、Cox比例ハザードモデルにより予後予測と精度を評価した。結果、RNNSurvが優れた予測性能を示し、死亡リスクの高い患者群と低い患者群を特定するができた。また、RNNSurvモデルは高いTime-dependent AUCを認め、時間的に変化する共変量からTime-varying Predictorを抽出することが可能であった。予後におけるリスク因子は、リスクレベルや原因によって異なり、個々に特化した治療戦略が必要であることを示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工知能(AI)を用いたリアルワールドデータ分析が広く行われるようになっている。人工知能は多層のニューラルネットワークを使用して複雑なデータの中から規則性や特徴を見つけだし、新たな発見をする能力が期待されている。従来の統計手法による解析は、心不全のようなheterogeneousで構成されている集団に対しては、患者背景のばらつきやデータの偏りによって高い精度での解析に困難であったが、本研究においてAIによる予後因子の解析をすることで従来では描出できなかった因子を高い精度で描出することが可能であった。本研究の結果は、今後の心不全のデータベース研究および心不全診療において高い臨床的意義が得られた。
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